高卒認定試験科目別攻略法~社会です。各科目へは以下のリンクでどうぞ。 世界史 ・ 日本史 ・ 地理 ・ 現代社会
【中世までの世界の動き】
①秦(前221~前206) 始皇帝が統一、郡県制、貨幣・度量衡・文字の統一、万里の長城 ②漢(前202~後220) 郡国制、郷挙里選(官吏登用法)、黄巾の乱により滅亡 ③隋(581~618) 均田法、科挙制(官吏登用法)、府兵制、大運河建設 ④唐(618~907) 中央に三省六部・御史台、地方に州県制、律・令・格・式の法典、均田制(租・庸・調)、安史の乱で動揺、黄巣の乱により滅亡。 ⑤宋(960~1279) 文治主義、科挙制(殿試など)、佃戸制、王安石の新法、火薬・羅針盤・木版印刷の発明 ⑥元(1271~1368) モンゴル人第一主義、駅伝制、交鈔(紙幣)、紅巾の乱により衰退 ⑦明(1368~1644) 魚鱗図冊(土地台帳)、賦役黄冊(戸籍・租税台帳)、甲里制、一条鞭法、李自成の乱により滅亡 ⑧清(1616~1912) 満漢併用制、辮髪、軍機処、地丁銀制、白蓮教徒の乱により動揺、辛亥革命により滅亡
ムハンマド(マホメット)は、唯一神アッラーの啓示を受けた預言者としてイスラーム教を創始、630年メッカで新しい政治体制を確立し、アラビア半島を統一した。ムハンマドの死後、カリフと呼ばれる後継者による支配が続き、ジハード(聖戦)を行いながら領土を拡大していった。その後、ウマイヤ朝、アッバース朝などが成立し、イスラーム帝国は拡大分裂した。
375年 ゲルマン民族の大移動始まる 395年 ローマ帝国 東西に分裂 476年 西ローマ帝国滅亡 800年 カール大帝(フランク王国)の戴冠 962年 神聖ローマ帝国の成立 1096年 第1回十字軍(~1270年 全7回) ・聖地イェルサレムをイスラーム勢力から奪回する目的で始まったが、次第に商権拡大の営利目的となっていった。このことにより、ヨーロッパの文化の発展、都市の発達をもたらした。 1215年 イギリス 大憲章(マグナ=カルタ)制定 1302年 フランス 三部会成立 1339年 英仏百年戦争(~1453年) 1453年 ビザンツ帝国滅亡 【近代ヨーロッパの成立と発展】
14世紀にイタリアで始まり、15世紀以降に西欧地域に広まった、人問・自我中心の近代的文化運動をルネサンスと言う。その基調をなす人文主義(ヒューマニズム)とは、ギリシア・ローマの古典文化の価値を再発見し、古典の復興と研究を通じて人間の品性を高めようとする動きである。
①マルティン=ルター(独、1483~1546)の改革 1517年 95カ条の論題を発表 教皇レオ10世がサン=ピエトロ大聖堂の改築資金調達のために売り出した贖宥状(免罪符)の濫売を批判、カトリック教会と論争 1555年 アウグスブルクの宗教和議 領主・都市には信仰の自由を与えたが、個人の自由は認められなかった ②カルヴァン(仏、1509~64)の改革 15世紀 スイスのジュネーヴで宗教改革を実施 ・予定説 魂の救済は、神によって予め決められている ・職業(特に商売などの営利活動)の肯定 ・各国におけるカルヴァン派の呼称~ピューリタン(イングランド)、プレスビテリアン(スコットランド)、ユグノー(フランス)、ゴイセン(ネーデルラント) ③イギリスの改革 1534年 首長法 ヘンリ8世は離婚問題を契機にカトリックから離脱。イギリス国教会成立 ④反宗教改革(カトリック側の反省と反プロテスタントへの動き) 1545~63年 トリエント会議で教皇の首位権と教義を再確認 16世紀半ば イグナティウス=ロヨラ、フランシスコ=ザビエルはイエズス会を創設
16~18世紀のヨーロッパで成立した官僚と常備軍に支えられた中央集権的な政治・国家形態を絶対主義と言う。王権神授説により体制を正当化し、重商主義政策(国家主導経済〜国内産業の保護育成・植民地獲得)が採用された。 ①スペイン(ハプスブルク家)のフェリペ2世(位1556~98) ・新大陸の銀を略奪する一方、フィリピンのマニラを中心にアジア経営を進める。 ・レパントの海戦(1571)でオスマン帝国を破り、地中海の制海権を獲得。 ・オランダ独立戦争(1568~1609) ・無敵海戦(アルマダ)がイギリスに敗北して制海権を失う(1588)。 ②イギリスのエリザベス1世(位1558~1603) ・統一法によりイギリス国教会を定着させた。 ・重商主義により商業資本を保護・育成をしたので、毛織物工業などが発展した。 ・オランダのスペインからの独立を援助した。 ・1588年、スペイン無敵艦隊を破って航海権を確保。 ・1600年に東インド会社設立。 ③フランスのルイ13世(位1610~43)、ルイ14世(位1643~1715) ・フランスのルイ13世~宰相にリシュリューを登用 ・ルイ14世(太陽王、「朕は国家なり」と豪語したと言われている) 即位当初は宰相としてマザランが活躍。ルイ14世親政時(1661年~1715)には財務総監にコルベールを登用し、重商主義政策を推進したが、ヴェルサイユ宮殿の建設などの浪費は財政面を圧迫した。 ④プロイセンのフリードリヒ2世 (ホーエンツォレルン家、位1740~86) フランスの啓蒙主義者ヴォルテールと交流のあった啓蒙絶対君主(「君主は国家第一の下僕」との立場をとった) ⑤ロシア帝国 (1613~1917)のピョートル1世(位1682~1725)、エカテリーナ2世(位1762~96) ・ピョートル1世 首都ペテルブルクを建設して「西方の窓」とし、対外的にはネルチンスク条約(1689、清の康煕帝との国境画定条約)を締結。 ・エカテリーナ2世 啓蒙絶対君主であったが、後に反動化。プロイセン・オーストリアとポーランド分割(1772、93、95)を行った。 【近代ヨーロッパの完成】
①ピューリタン(清教徒)革命 チャールズ1世の専制政治に対して、議会では権利の請願を提出した(1628)が、王は政治姿勢を改めなかったので、ピューリタン革命(内乱、1642~49)を起こした。この結果、イギリスは共和制となったが、クロムウェルの独裁政治が行われ(~1658)、彼の死後、王政が復古した(1660~88)。 ②名誉革命(1688~89) ジェームズ2世の専制政治に対して、議会は国王の長女メアリとその夫オランダ総監督ウィリアムを新国王に迎えた(ウィリアム3世・メアリ2世)。王夫妻は議会がまとめた権利の宣言を受け入れて、権利の章典(1689)として制定し、「国王は君臨すれども統治せず」というイギリス立憲政治が始まった。
・イギリスが重商主義政策を強化し、植民地を圧迫 ・1765年 印紙法、1773年 茶法 ・1774年 第1回大陸会議(革命推進機関、フィラデルフィア)開催 ・1775年 レキシントンの戦いで総司令官にワシントンが就任 ・1776年 独立宣言(ジェファソン等が起草)、トマス=ペインは「コモン=センス」で支持を訴えた。 ・1783年 パリ条約で独立が承認された。
①革命の原因 アンシャン=レジーム(旧制度)の矛盾、啓蒙思想の普及 ②革命の経過 1789年 三部会収集、第三身分は国民議会を設立(球戯場の誓い)、パリ民衆のバスティーユ牢獄襲撃で革命が勃発、人権宣言発布。 1792年 オーストリア・プロイセンに宣戦布告し、革命戦争が勃発。国民公会で王政の廃止・共和制の樹立を決議(第一共和政)。 1793年 ルイ16世処刑、ジャコバン派(急進共和派)の独裁政治 1794年 テルミドール9日の反動でジャコバン派のロベスピエールら処刑。 1799年 ナポレオンがブリュメール18日のクーデターで総裁政府を打倒、統領政府が成立(ナポレオンが第一統領に就任)。 ③ナポレオンの大陸制覇と没落 1804年 フランス民法典(ナポレオン法典)制定、第一帝政(~15年)。 1812年 大陸封鎖令(1806)に違反したロシアを討つための遠征に失敗。 1814年 ナポレオン1世退位(初めエルバ島、後にセントヘレナ島へ流刑)。 【19世紀の世界】
①ウィーン会議(1814~15) フランス革命後の秩序の回復を目的として、メッテルニヒ(墺)が指導、タレーラン(仏)が正統主義を唱え、戦争責任を回避した。これ以降、1848年までの状況をウィーン体制と言う。 ②モンロー宣言 ラテン=アメリカ諸国の独立運動から、ウィーン体制は破綻し始める。 カンニング(英)はラテン=アメリカ諸国の独立を承認し、メッテルニヒと対立。合衆国大統領モンローはヨーロッパ諸国がアメリカ大陸諸国に干渉することを拒否した(モンロー宣言)。 ③七月王政 1830年にフランスで七月革命が勃発し、新国王にはルイ=フィリップが即位した(七月王政)。 ④ウイーン体制の崩壊 1848年のフランスの二月革命(ルイ=フィリップ退位)は各地に波及し、ウィーンとベルリンでは三月革命が起こった。メッテルニヒは失脚し、ウィーン体制は崩壊した。
①1861年にイタリア王国が誕生。 ②プロイセン首相ビスマルクは鉄血政策によって軍備を増強し、1867年に北ドイツ連邦を建てた。1871年にプロイセン国王ヴィルヘルム1世がドイツ皇帝に即位し、ドイツ帝国が誕生した。 ③ロシアは南下政策をとり、露土戦争(1877~78)などを引き起こした。 ④イギリスはヴィクトリア女王(位1873~1901)の下で黄金時代を迎えた。グラッドストンとディズレーリの自由党・保守党が議会政治を樹立。 ⑤アメリカは1861年にリンカンが大統領に就任、南北戦争が勃発した。彼は奴隷解放宣言で南部の奴隷の決起を促し、国際社会の支持も獲得した。戦争は北部の勝利に終わり、合衆国は再統一された。
①アフリカでは、イギリスの縦断政策とフランスの横断政策が衝突(1898年、ファショダ事件)。 ②オスマン帝国(1299~1922)は東方問題の発生で領土縮小。 ・クリミア戦争(1853~56)、露土戦争(1877~78)で多くの民族が独立。 ・タンジマート(恩恵改革、1839~76)でアジア初の立憲君主国となったが、露土戦争の勃発で、民主的なミドハト憲法を停止。 ③インド(ムガル帝国、1526~1858) 1857年 シパーヒー(セポイ〜東インド会社のインド人傭兵)の反乱 ・この反乱でイギリスはムガル皇帝を退位させた→ムガル帝国滅亡 ・イギリスは東インド会社を解散して直接統治へ 1877年 ヴィクトリア女王を皇帝とするインド帝国(~1947)成立。 ④東南アジア諸国 ・タイのみが独立を維持 ・現ミャンマー・マレーシア・シンガポール・ブルネイはイギリス領土または植民地。 ・現ヴェトナム・カンボジア・ラオスはフランスの保護国 ・現インドネシアはオランダの植民地 ・現フィリピンはスペイン→アメリカの植民地 ⑤中国(清、1616~1912) ・アヘン戦争(1840~42)~イギリスに敗北、南京条約締結(香港の割譲、広州・厦門・福州・寧波・上海の開港、賠償金の支払いなど)。 ・太平天国の乱(1851~64)~洪秀全らキリスト教系拝上帝会が反乱の主体。土地私有を認めない天朝田畝制度、清朝打倒(「滅満興漢」)を宣言。 ・日清戦争(1894~95)〜原因は朝鮮の甲午農民戦争(東学党の乱、1894)で、清は日本に敗北。下関条約(朝鮮の独立確認、賠償金を支払い、遼東半島など日本に割譲など)が締結された。しかし、ロシア・フランス・ドイツは遼東半島を還付させた(三国干渉、1895年)。列強は清の弱体化を見抜き、中国分割に取りかかった。 ・義和団事件(1899~1901)〜白蓮教系の秘密結社の義和拳教徒が組織した自衛団が起こした排外運動。日・英・米・露・独・仏・伊・墺の8カ国は連合軍を組織して鎮圧、これにより中国は半植民地化。 ・辛亥革命(1911~12)は武昌に挙兵し、清朝を倒した中国の民主主義革命で、孫文が臨時大統領に就任して共和制を宣言し、中華民国が誕生した。 【2つの世界大戦】
①第一次世界大戦 (1914~18) 三国同盟(独・墺・伊)と三国協商(英・仏・露)との対立を背景として起こった、史上初の世界的規模の戦争である。パン=ゲルマン主義とパン=スラヴ主義の対立から起こったサライェヴォ事件(セルビアの青年がオーストリア皇太子を暗殺)を導火線として、1914年7月28日にオーストリアがセルビアに宣戦し、相次いで各国が参戦した。 ・同盟側(オスマン帝国・ブルガリアが参加) ・協商側(三国同盟を脱退したイタリアの他、ベルギー・日本・アメリカ・中国などが参加) ・1918年11月にドイツが降状、翌年ヴェルサイユ条約により講和成立。 ・1920年にはアメリカ合衆国大統領ウィルソンの提唱により、国際連盟設立(アメリカは不参加)。 ②ロシア革命(1917)とソ連の成立 ・ロシア二月革命(三月革命)はロシアの労働者・兵士らが皇帝(ツァーリ)ニコライ2世の専制政治を打倒した革命で、これによりロマノフ朝が倒れた。 ・ロシア十月革命(十一月革命)はレーニンらの指導するボリシェヴィキ(多数派)がペトログラードで武装蜂起した、史上初の社会主義革命である。 ・1922年、ソヴィエト社会主義共和国連邦(世界初の社会主義国)が成立。
①世界恐慌の発生 1929年10月、アメリカのウォール街で株価が大暴落し、大恐慌が発生。 ・イギリス、フランスはブロック経済体制を採用 ・アメリカではフランクリン=ローズヴェルト大統領(任1933~45年)がニューディール政策推進。 ・ドイツ・イタリア・日本のような海外植民地を「持たざる国」では全体主義が台頭、対外侵略に向かった(ドイツ~ヒトラー率いるナチス、イタリア~ムッソリーニ率いるファシスト党)。 ・ソ連では第1次五カ年計画を実行し、世界恐慌の影響を受けずに社会主義の基礎を築いた。 ②第二次世界大戦(1939~45) 1939年1月 ドイツのポーランド侵略が引き金となり、イギリス、フランスがドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が勃発。 1941年8月 日本がハワイの真珠湾(パールハーバー)を奇襲して太平洋戦争勃発。新国際機構創設など大西洋憲章〜戦後構想の原則確認。 1943年9月 イタリア無条件降伏。 1943年11月 カイロ会議~ローズヴェルト、チャーチル、蒋介石、対日処理方針を決定。 テヘラン会議~ローズヴェルト、チャーチル、スターリン、連合軍の北フランス上陸作戦を決定。 1945年2月 ヤルタ会議~ローズヴェルト、チャーチル、スターリン、ドイツの戦後処理とソ連が対日参戦することを決定。 1945年5月 ドイツが無条件降伏。 1945年7月 ポツダム会議~トルーマン、チャーチル、スターリン(チャーチルは途中でアトリーに交代)、日本の無条件降伏勧告とヨーロッパでの戦後処理について決定。 1945年8月 日本がポツダム宣言受諾。 1945年10月 国際連合の設立。 【高卒認定試験世界史Aの問題構成】 (1)諸文明の歴史的特質=文化史 ①古代文明の誕生 ②東アジアと中国文化 ③南アジアとインド文化 ④西アジアとイスラーム文化 ⑤ヨーロッパとキリスト教文化 ≪傾向と対策≫ 各地域とも文明が成立には宗教が大きな役割を果たしているので、宗教を軸として文化をまとめておくといいでしょう。 (2)諸文明の接触と交流=交流史 ①古代の諸帝国と文化交流(2世紀の世界) ②イスラーム世界の形成 ③8世紀の世界 ④13世紀の世界 ⑤大航海時代(16世紀)の世界 ⑥17・18世紀の世界 ≪傾向と対策≫ 同時代の世界の各地域の動きとその交流、相互関係が問われます。地図や表で視覚的に把握するのが手っ取り早いでしょう。 (3)19世紀の社会の形成と展開=近代史 ①ヨーロッパ近代社会の成立 ②新大陸アメリカの発展 ③帝国主義の時代 ④アジア諸民族の抵抗 ⑤19世紀の文化 ≪傾向と対策≫ 19世紀はヨーロッパがアジア・アフリカ地域を支配した時代であり、イギリス・ドイツ・アメリカなどの動きを中心に各地域の社会がどのように影響を受け、どのような独立運動を展開したかを把握するといいでしょう。 (4)現代世界と日本 ①2つの世界大戦と世界平和の問題 ②民族運動の発展 ③社会主義体制の確立とパクス・アメリカーナの時代 ④現代世界の諸問題 ≪傾向と対策≫ 第2次世界大戦前後の世界の動きが重要です。国連や南北問題についてもしっかり把握しておきましょう。ここは現代社会の政経部分とダブる分野ですので、集中的に押さえると応用が利きます。 【高卒認定試験世界史の裏技】 世界史Bで勉強してきた人も当日は世界史Aで受けるのが得策です(申込は「世界史」という区分しかなく、AかBかの選択は当日問題を見て決めることになります)。なぜなら、範囲が世界史Bは通史で約4000年を扱い、満遍なく出題されるのに対して、世界史Aは近現代史400年を中心に押さえておけば事足り、平均点も大体高いからです。ただ、人によっては教科書的な「広く浅く」の世界史Bの方が相性がいいという場合もありますので、その時は世界史Bで受験すればいいでしょう。 ページのトップへ戻る
① 縄文文化・弥生文化・古墳文化 縄文文化:打製石器→磨製石器、縄文土器、竪穴住居、狩猟・採集生活、抜歯・屈葬、大森貝塚(東京)、三内丸山遺跡(青森県) 弥生文化:金属器(青銅)、弥生土器、高床倉庫、稲作、環濠集落、荒神谷遺跡(出雲)、吉野ヶ里遺跡(佐賀県) 古墳文化:前方後円墳、埴輪、竪穴式石室→横穴式石室、副葬品、箸墓古墳(奈良県、出現期)、前期(三角縁神獣鏡、祭祀的性格)→中期(「巨大古墳の世紀」、武具、馬具、武人的性格)→後期(群集墳) ②倭国と東アジアとの交流 『漢書』地理志:楽浪海中に倭人、百余国 『後漢書』東夷伝:1世紀、後漢光武帝→「漢委奴国王」(志賀島の金印) 『三国志』魏志倭人伝:3世紀、邪馬壱(台)国の女王卑弥呼、「親魏倭王」 好太王(広開土王)碑文:4世紀、高句麗VS倭国 『宋書』倭国伝:5世紀、倭の五王→中国南朝、「倭王武の上表文」 『隋書』俀(倭)国伝:7世紀、「日出づる処の天子」多利思北孤→「日没する処の天子」隋の煬帝 ③飛鳥文化・白鳳文化・天平文化 飛鳥文化:推古朝、中国南北朝文化の影響、法隆寺(金堂釈迦三尊像) 白鳳文化:天武・持統朝、初唐文化の影響、薬師寺東塔、法隆寺金堂壁画、高松塚古墳 天平文化:聖武朝(平城京時代)、盛唐文化の影響、南都六宗、唐招提寺、東大寺正倉院、『万葉集』『古事記』『日本書紀』 ④律令体制の成立と動揺 十七条憲法(604年):律令体制(天皇中心の中央集権体制)の原点~聖徳太子 大化の改新(645年):律令体制の確立~中大兄皇子・中臣鎌足による宮廷クーデター、蘇我氏の排除、公地公民制、班田収授法 大宝律令(701年):律令体制の完成~律令格式、二官八省 三世一身法(723年):律令体制の動揺~墾田の三代の私有容認 墾田永年私財法(743年):律令体制の崩壊~自墾地系荘園→寄進地系荘園(不輸・不入権) 藤原北家の台頭:外戚(血縁)、摂政・関白(権力)、寄進地系荘園(財力) 延久の荘園整理令(1069年):後三条天皇(時の摂政・関白を外戚に持たない)、荘園整理令→藤原氏の勢力をそぐ 院政:後三条天皇の子・白河上皇、院庁(いんのちょう)、北面の武士、平氏・源氏などの武士の台頭 ⑤弘仁貞観文化・国風文化・浄土教文化 弘仁・貞観文化:最澄(天台宗、比叡山延暦寺)、空海(真言宗、東寺高野山金剛峰寺)、密教、室生寺 国風文化:遣唐使廃止(894年、菅原道真の建議)、かな文字、『古今和歌集』(紀貫之)、『土佐日記』(紀貫之)、『竹取物語』、『伊勢物語』、『源氏物語』(紫式部)、『枕草子』(清少納言)、寝殿造 浄土教文化:末法思想、『往生要集』(源信)、平等院鳳凰堂
①鎌倉幕府と室町幕府
①織豊政権と徳川幕府
①倒幕から明治維新へ 薩長連合(1866年):坂本竜馬(土佐藩)→西郷隆盛(薩摩藩)・木戸孝允(長州藩) 大政奉還(1867年):15代将軍慶喜←前土佐藩主山内豊信(とよしげ、容堂)の建議 王政復古の大号令(1867年):朝廷(岩倉具視)→倒幕の密勅→薩長両藩 戊辰戦争(1868~1869年):鳥羽・伏見の戦い→五稜郭の戦い(箱館、榎本武揚) 五箇条の誓文(1868年):公議世論の尊重・開国和親→五榜(ごぼう)の掲示・政体書 版籍奉還(1869年):藩主を知藩事に任命→廃藩置県(1871年)~府知事・県令派遣 四民平等(1871年):華族・士族・平民 ②文明開化・富国強兵・殖産興業
①いろいろな図法 正角図法:地図上の任意の点で測った角度は、地表面で測った値と一致する。 メルカトル図法:各経線は互いに直交する平行線、描く経路は赤道と同じ長さに拡大される。任意の直線コースが等角コースになるための航海図に適するが、高緯度ほど面積と距離の歪みが大きい。 方位図法:地図上の中心から他の点への方向が正しく示される。 正距方位図法:地図上の中心から任意の一点へ引いた直線は距離と方位が正しく大圏コースを示す。地球全周は約4万kmなので、世界全図が描かれている場合には、図の中心から最も遠い外周までが約2万kmとなり、外周は対蹠点(地球の真裏)を示す。国連旗のデザインは北極を中心としたこの図法の世界全図を図案化したものである。 ②地図記号 縮尺:地表における実際の距離と、地図上に縮小して示された距離の比を表したものである。地図上から実際の距離を求める場合、地図上の長さに縮尺の分母を掛け合わせれば、実際の距離を求めることができる。 等高線:海抜高度の等しい点を結んだ線であり、土地の起伏を表している。等高線の距離が狭ければ傾斜が急なことを、広ければ緩やかなことを示している。日本の地形図には、計曲線(太い実線)、主曲線(細い実線)、補助曲線(破線・点線)の3種類が使われている。
①プレートテクトニクス プレート:地球表面を覆っている何枚もの剛体の板。岩石圏=リソスフェア(地殻+上部マントル)。プレートを動かす原動力は岩流圏=アセノスフェア(下部マントル)でのマントル対流。 広がる境界:海嶺など。大西洋中央海嶺、アイスランド、リフトヴァレー(アフリカ大地溝帯)。 狭まる境界:海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込む~海溝、弧状列島など。日本海溝、日本列島。大陸プレート同士の衝突~ヒマラヤ山脈(ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレート)、アンデス山脈(南アメリカプレートとナスカプレート)。 ずれる境界:トランスフォーム断層形成。サンアドレス断層。 ②陸地の分類 安定陸塊:先カンブリア代に激しい造山運動があったが、古生代以降は激しい運動を受けていない地塊。プレート境界から離れた所(プレート中央部)にある安定地域で、長年にわたる侵食を受け、平坦な地形(侵食平野)を示す。卓状地(高原状で広大な規模を持つ台地で、構造平野になっている所が多い)、盾状地(盾を伏せたような土地で、準平原となっている所が多い)など。かつてのゴンドワナランド、バルト盾状地、シベリア盾状地、カナダ(ローレンシア)盾状地。鉄鉱石を多く産出。 古期造山帯:古生代中期~後期に起こった造山運動により生じた山地で、かつてはプレートの境界だった。その後の長期間の侵食により、現在は低くなだらかな山脈が多い。アパラチア山脈、ウラル山脈、ドラケンスバーグ山脈(南アフリカ)、グレートディヴァイディング山脈(オーストラリア)。石炭を多く産出。 新期造山帯:中生代以降、現在に至るまで、激しい造山運動を行っている地域で、プレートの狭まる境界付近に分布。地震帯や火山帯を伴う。環太平洋造山帯、アルプス=ヒマラヤ造山帯。銅鉱や石油を多く産出。
①山地地形 褶曲(しゅうきょく)山地:地殻変動の際に横からの圧力で地層が曲げられて形成。アルプス、ヒマラヤ、ロッキー等の山脈。 断層山地:地殻変動の際に地層が垂直または斜めに断層されて形成。木曽、鈴鹿などの日本の多くの山脈 アルタイ山脈。 カルデラ:火山の爆発や陥没により生じた大きな火状凹地。水がたまるとカルデラ湖になる。阿蘇山、摩周湖等。 ②平野地形 侵食平野:造山運動により形成された陸地が長期の侵食の作用で平坦になった。安定陸塊。日本にはない。 (1)ケスタ:構造平野だが、柔らかい地層が侵食され、固い地層のみが鋸の歯状に丘となって残る、特色のある地形。パリ盆地、ロンドン盆地など。 (2)構造平野:長期の侵食による緩やかな起状の平原。古い岩石の上に地層がほぼ水平に堆積したもの。卓状地。東ヨーロッパ平原、北米中央平原。 (3)準平原:侵食輪廻の最終段階、起伏が緩やか。山地が長い間侵食された平坦化したもの。盾状地。リャオトン半島等。 堆積平野:河川の堆積作用で形成された沖積平野とこれが隆起した洪積台地がある。日本の平野の大部分。 (1)扇状地: 河川が山地から平野部に出る谷口に開けた、扇状の地形。谷口の扇頂から始まり、中央部の扇央は礫(れき)質で伏流し、果樹栽培・桑畑に利用することが多い。扇端では湧水が見られるため、集落や水田が立地する。甲府盆地等。 (2)氾濫原:河川の氾濫によって形成された自然堤防(河川両側の微高地、畑・集落として利用)や後背湿地(自然堤防の外側の低湿地、水田利用)を含む平野。 (3)三角州:河川の河口に形成される沖積平野。泥質で水郷地帯となり、稲に適する。ナイル川、ガンジス川、メコン川、ミシシッピ川等。 ③海岸地形 沈水海岸:海岸線が複雑で、推進も深い。 (1)リアス式海岸:山地の沈降で生じた鋸(のこぎり)状の海岸線が特徴。若狭湾、三陸海岸等。 (2)フィヨルド:U字谷(氷食谷)に海水が侵入してできた入り江。峡湾とも言う。ノルウェー北西岸、ニュージーランド南島、チリ南部。 (3)エスチュアリー:河川の河口部が沈水してできたラッパ状の入り江。三角江とも言う。テムズ川、エルベ川の河口等。 離水海岸:海岸線が単調で、水深も浅い。 (1)海岸平野:遠浅の海底が離水。沖合に海岸線と並行な沿岸州や沿岸州が陸化した浜堤が発達することが多い。 (2)海岸段丘:海食崖・海食台が離水して段丘面が形成。 ④その他の地形 氷河地形:氷河の営力によって形成、カール(圏谷)、ホルン(尖峰)、モレーン(堆石)、U字谷等。 カルスト地形:石灰岩質の土地に発達、窪地(ドリーネ、ウバーレ、ポリエ)、タワーカルスト、鍾乳洞等。 乾燥地形:オアシス(湧水地、外来河川の沿岸)、ワジ(涸川)、カナート(地下水路)等。 さんご礁:サンゴ虫の遺跡などでできた石灰岩質の岩礁(裾礁〔きょしょう〕、堡礁、環礁)。
①気候と気候要素 気候:ある地域における長期間にわたってみた場合の大気の総合的な平均状態のこと。その特色は気温・降水量・風・湿度などの気候要素から成り、緯度・水陸分布、海抜高度などの気候因子の影響を受ける。 気温:気温の等しい地点を結んだ等値線を等温線と言い、緯度とほぼ平行になることが多い。1日の中での最高気温と最低気温の差を日較差、1年の中で最暖月と最寒月の月平均気温の差を年較差と言う。 降水量:降雨の成因は以下の4つ。降水量はこれが組み合わされたものになる。 (1)対流性降雨:スコール・夕立等 (2)低気圧性降雨:低気圧通過による降雨 (3)前線性降雨:梅雨・秋雨等 (4)地形性降雨:山地の風上斜面等 ハイサーグラフ:縦軸に気温、横軸に降水量を取ったグラフ。 (1)熱帯:最寒月平均気温が18℃以上。 (2)温帯:最寒月平均気温が-3℃以上、18℃未満。 (3)冷帯(亜寒帯):最寒月平均気温が-3℃未満、最暖月平均気温が10℃以上。 (4)寒帯:最暖月平均気温が10℃未満。 風: (1)恒常風…貿易風(亜熱帯高圧帯→赤道低圧帯。北半球では北東風、南半球では南東風になる)、偏西風(亜熱帯高圧帯→亜寒帯低圧帯)、極風等 (2)季節風・・・夏は海洋から大陸へ、冬は大陸から海洋へ吹く (3)地方風…台風(熱帯低気圧、東アジア)、サイクロン(熱帯低気圧、インド洋)、ハリケーン(熱帯低気圧、カリブ海)、フェーン(アルプス山脈を超える際に生じる高温乾燥風)、やませ(冷涼湿潤な北東風で冷害の原因、三陸地方)等 エルニーニョ現象:ペルー沖の海水温上昇。南アメリカ大陸の太平洋側では、赤道付近で温められた海水が貿易風により太平洋西部へ移動→寒流であるペルー海流(フンボルト海流)は低温の湧水流を伴い、海水温は低い→何らかの理由で貿易風が弱まり、温められた海水の西部移動が減り、ペルー沖の海水温上昇が起こる→東南アジアでは水蒸気の供給が減って干ばつが起こったりする、カリブ海では偏西風波動で水蒸気の供給が増えて洪水が起こったりする ラニーニャ現象:エルニーニョ現象の逆。ペルー沖など東太平洋赤道上で海水温が低下する現象。 ②気候区の特色 熱帯雨林気候区(Af):アマゾン地方やコンゴ盆地、メラネシアから東南アジアなどの赤道付近が代表的地域。年降水量は気候区中最大で、2000mmを超えるところが多く、風は一般的に弱い。熱帯林(アマゾン川流域のセルバ、東南アジアのジャングル)は多種類の常緑広葉樹からなる密林である。 熱帯モンスーン気候区(Am):弱い乾季のある熱帯雨林。インドシナ半島・インド南西岸・フィリピン北西部・ギアナ高地北東斜面・西アフリカ西部などでは、季節風の影響によって、短期間の少雨ないしは乾季を生じている。雨季の降水量が多いため熱帯雨林が生育する。東南アジアでは稲作が盛んである。 サバナ気候区(Aw):熱帯雨林周辺の疎林と草原地帯(アフリカでサバナ、ブラジル高原でカンポ、オリノコ川流域ではリャノと呼ばれる)で降水量が季節的に大きく変動し、1年が雨季と乾季に分かれる。アジアでは、熱帯気候と共に昔から重要な米作地帯で、稲の二毛作も行われる。アフリカや中南米でも、さとうきび・綿花・コーヒー等の灌漑耕地が拡大した。 砂漠気候区(BW):中緯度地方とユーラシア内部を中心に広く分布している。大半の地域が年降水量250mm以下で、砂漠となり、オアシスを除けば草もほとんど見られない。土壌は一般に薄く、未熟で蒸発が盛んなため、塩性(アルカリ)土壌を生じやすい 砂漠形成の主要因: (1)亜熱帯高圧帯の影響:年中、下降気流が卓越するために上昇気流が生じにくい。サハラ砂漠、アラビア砂漠、オーストラリアの砂漠など。 (2)大陸内部で、隔海度が大:海から離れているため、水蒸気が流入しにくい。ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など。 (3)寒流の影響(海岸砂漠):中緯度の大陸西岸では寒流によって下層の空気が冷却されるため、大気の安定状態(気温勾配の逆転)が形成され、上昇気流が生じない。アタカマ砂漠(←ペルー海流)、ナミブ砂漠(←ベンゲラ海流)など。 (4)山脈の風下:偏西風などの恒常風に対し、山地の風上側では上昇気流が発生し、降水が見られるが、風下側では乾燥した空気が降下する。パタゴニア地方(←アンデス山脈)など。 ステップ気候区(BS):砂漠の周辺では、夏または冬から春先まで降水量がやや多くなって雨季が現われる。このため短い草や低木が育ち、ステップと呼ばれる草原となり、栗色土(くりいろど)が発達する。ユーラシア大陸やアフリカでは、遊牧民の昔ながらの生活も見られる。比較的雨量の多い地域では草の密度が増し、肥沃な黒色土が形成される。ウクライナからカザフスタン北西部までの地方、アルゼンチン中部の乾燥パンパ、オーストラリアのマーレー・ダーリング盆地などのように世界有数の農牧業地帯になったところも多い。 地中海性気候区(Cs):大陸の西岸で乾燥帯の高地か高緯度側にあたる地方では、年降水量が比較的少なく、その大半が冬に降る。夏は亜熱帯高圧帯の影響で、乾燥して暑い。地中海沿岸が代表的で、コルクがしのような耐乾性の樹木が多く、オリーブ・オレンジ・レモン・ブドウ等の果実栽培にも適している。冬小麦の歴史は古いが、夏作には一般に灌漑を必要とする。夏には家畜を山へ移す移牧も行われている。 温帯冬期少雨気候区(Cw):インド北西部から四川省などへの一帯、ザンベジ川上流の高原、南アメリカのグランチャコその他に分布する気候区である。低地では夏が熱帯なみに暑く、常緑広葉樹が茂るが、高度や緯度が高まるにつれ、落葉樹や針葉樹も加わる。温暖な時期に季節風や移動性低気圧による雨が多いので、農業に好適である。 西岸海洋性気候区(Cfb):海上を渡ってくる偏西風などの影響で、どの季節にも適度な降水量がある。また、同じ緯度帯の東側に比べると冬が暖かいので、平均的気温が高く、年度差は小さく四季を通じて温和である。世界中で最も開発の進んだ所で、世界最大の文化地域を形成し、特に西ヨーロッパでは大工業地帯が開けている。農村では混合農業が発達。 温暖湿潤気候区(Cfa):大陸の東側には1年を通じて比較的降水量の多い地方がある。一般に西岸海洋性気候区より低い緯度に分布し、これよりも夏が高温で年降水量も多い。冬は中国の華南やアメリカ合衆国のフロリダのような緯度の低い地方は暖かでしのぎやすいが、やや緯度が高く季節風の影響が大きい日本やアメリカ合衆国北東岸では寒さがかなり厳しく、特に北半球では、暴風・長雨・干ばつ・冷夏・熱波・寒波等にしばしば見舞われる。代表的な農業地域が見られる。 冷帯(D):亜寒帯。北半球北部だけに分布する気候帯で、低温で蒸発作用が弱い為、比較的湿潤である。ここではポドゾルと呼ばれる灰白色の土壌が形成されている。針葉樹を主とする冷帯林(タイガ)が広がり、夏の気温が割合高い南部地方では農業が行われている。大部分が年中降水のある冷帯湿潤気候区(Df)に属しているが、ユーラシア東部には、きわめて大陸的な冷帯冬期少雨気候区(Dw)がある。 寒帯(E):極圏内では夏でも太陽温度が低く、冬は全く太陽が昇らない日もあるので、寒さは年中厳しい。土壌も厚い永久凍土層を形成しているため、植物の生育にはきわめて不利である。主に北極海の沿岸地方に分布するツンドラ気候(ET)では、短い夏に気温が上がって凍土層の表面がとけ、こけ類や小低木が育つ。このツンドラとタイガを往来し、トナカイの遊牧や毛皮獣の狩猟で生活してきたイヌイット(エスキモー)やサーミ(ラップ人)の他、定着して建設業や工場・鉱山などで働く人が増えた。南極大陸とグリーンランド内部のように、年中雪と氷に覆われている地域は、氷雪気候区(EF)で、ほとんどがアネクーネ(非居住地区)である。 ③土壌と植生 ツンドラ土(凍土): 夏季、表層にコケ類が生える。トナカイの遊牧が行われる。シベリアやカナダ北部に分布。 ポドゾル: 灰白色の酸性土、農耕には不適。タイガ(針葉樹林帯)に分布。 褐色森林土: 暗褐色で肥沃、農地化が進む。温帯湿潤地帯に分布。 ラトソル(ラテライト): 赤褐色の痩せた土、樹木農業に適する。熱帯気候帯に分布。 チェルノーゼム(黒土):黒色の肥沃土、小麦に適する。ウクライナ~ロシア西部に分布。 プレーリー土:黒褐色の肥沃土、農耕に適する。北米大陸中央平原一帯に分布。 パンパ:暗褐色で肥沃、草原地帯に分布。アルゼンチンのパンパ一帯に分布。 ラテロッサ:赤褐色、石灰岩が風化した肥沃土。地中海一帯に分布。 テラローシャ:玄武岩などの風化による暗紫色の肥沃土、コーヒー栽培に適する。ブラジルのカンポに分布。 レグール土:玄武岩質の黒色肥沃土、綿花栽培に適する。インドのデカン高原に分布。 黄土(レス):黄褐色の粘土・細砂の風積土。中国華北の黄土高原、ハンガリー他に分布。 シラス:火山性の灰褐色の土壌、欠水土。鹿児島県~宮崎県に分布。 関東ローム:関東の赤褐色土、欠水土。関東地方一帯に分布。
①アジアの主要国 大韓民国:北緯38°線付近が朝鮮民主主義人民共和国との国境に当たる。水稲と冬小麦の二毛作、綿花、大豆、たばこなど。1960年代以降、綿・絹織物などの軽工業から重化学工業へ転換を図る(釜山の食品・造船、浦項の製鉄)。 朝鮮民主主義人民共和国:協同農業や国営農業で畑作農業中心、豆類、雑穀を多く栽培。地下資源が豊富、石灰、鉄鉱石、タングステンなど。中国、ロシア、北朝鮮の国境にある豆満江流域の大規模開発計画が注目される。 中華人民共和国:13億人を超す人口を擁し、9割以上が漢民族、1割は多種の少数民族。華北(黄河以北)及び北東部の小麦・こうりゃん、華中(長江流域)の水稲・茶・綿花・小麦、華南(珠川流域)の水稲二期作。経済特区を設け、外国資本や技術を導入。工業はアンシャン(アンシャンの鉄、フーシュンの石炭)、ペキン(カイロワンの石灰、ターチン・ショーンリーの石油)、ウーハン(ターイエの鉄、ピンシャンの石炭)等が中心のコンビナートで発達、他にパオトウ(製鉄)、シャンハイ(最大級の工業地帯)など。 タイ王国:古い王国で、戦前は英仏の緩衝地帯となり、独立を保持してきた仏教国。チャオプラヤ川流域の稲作の他、天然ゴム、チーク材の生産も多い。日本向けのエビの養殖池を作るため、マングローブ林が伐採されている。 マレーシア:1957年に英から独立、英連邦の一員、国教はイスラーム教、華僑が多い。天然ゴム、パームやしのプランテーション、すず、鉄、ボーサイト等を生産。 シンガポール共和国:1965年マレーシアから独立、華僑が7割を占める。中継貿易として発展し、近年は精油・機械工業を中心に工業国へ脱皮。 インドネシア共和国:1945年オランダから独立、1万7500余りの島からなり、約9割がイスラーム教徒で、世界最大のイスラーム教国家。天然ゴム、米、コーヒー、茶、ココナッツ等を生産。石油、すずなどの生産量が多く、日本へも原油を輸出。日本向けのエビの養殖池を作るため、マングローブ林が伐採されている。
①現代社会の特質 産業化社会~人間性の喪失(人間疎外) 管理社会~ビューロクラシー(官僚制)、合理化(ウェーバー) 大衆社会~新中間層の出現、大衆の中流意識、大衆生活の平均化、政治的無関心 情報化社会~マス=メディアの発達、脱工業化社会、インターネット、ハッカー、IT革命、知的所有権(著作権)、ボーダーレス化 国際化社会~難民、非政府組織(NGO)、国際貢献(ODA、PKO)、グローバリゼーション(ヒト・カネ・モノ・情報の流通が時間的・地域的な制約を離れ、地球規模になりつつある現象) テンニース(ドイツ)による社会集団の分類~ゲマインシャフト(共同社会、愛情・尊敬・同情などによる人間的・自然的な結びつき)、ゲゼルシャフト(利益社会、人間の利害関係などによる選択的・部分的な結びつき) フロム(ドイツ、『自由からの逃走』)~ルネサンスや宗教改革を通じて、歴史的に自由からを獲得した人間が、束縛からの自由がもたらす孤独や不安に耐え切れず、自由から逃走してナチスのファシズム(全体主義)に吸収され、服従や従属を自ら求めた心理を分析した。 権威主義的パーソナリティ~フランクフルト学派のアドルノ(『権威主義的パーソナリティ』『啓蒙の弁証法』)やフロムが説いた現代人の社会的性格。上位の他者の権威に盲従しつつも、下位者には自らへの服従を求める。 リースマン(アメリカ、『孤独な群集』)による人間類型~伝統志向型(中世封建社会に多く見られた性格)、内部志向型(ルネッサンス・宗教改革時代に出現した性格)、他人志向型(20世紀に顕著に見られるようになった性格、「孤独な群集」) ②環境問題 <世界の動き> ナショナル=トラスト運動(1895年~)~破壊される恐れのある自然環境を住民が買い取って保存 ラムサール条約(1971年)~特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 PPP(Polluter Pays Principle、汚染者負担の原則、1972年)~公害除去費用は公害発生企業が負担(OECD=経済協力開発機構で採択) 国連人間環境会議(1972年、スウェーデン・ストックホルム)~「かけがえのない地球」(Only One Earth)、人間環境宣言→国連環境計画(UNEP) ワシントン条約(1973年)~絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約 ロンドン条約(1975年)~有害廃棄物の海洋投棄規制条約 エコマーク(ドイツより、1977年~)~環境にやさしい製品開発、環境保護を啓蒙 モントリオール議定書(1987年、オゾン層保護条約議定書)~1995年末までにフロンガス生産全廃、途上国は2010年まで猶予→ヘルシンキ宣言(1989年)、オゾンホール(フロンガスなどの使用により、空気中のオゾン濃度が減り、オゾン層の一部が穴の開いた状態になること。極地方で観察され、皮膚がんの増加が懸念されている) バーゼル条約(1989年)~有害廃棄物は原則としてそれを作り出した国で処分し、規約で定められた手続きで輸入国・通過国の同意を得られた場合だけ、他国で処理することができる 国連環境開発会議(1992年、地球サミット、ブラジル・リオデジャネイロ)~「持続可能な開発」(sustainable development)、地球と開発に関するリオ宣言、気候変動枠組条約(温暖化防止条約)、生物多様性条約、アジェンダ21 第3回気候変動枠組条約締約国会議(1997年、COP3、京都会議)~京都議定書(2008~2012年までの間で温室効果ガス(二酸化炭素など)排出量削減をEU8%、アメリカ7%、日本6%と定め、先進国全体で5.2%削減することを義務付けた)→エコ・ライト(排出権)、環境税 第21回気候変動枠組条約締約国会議(2015年、COP21、パリ会議)~パリ協定(世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑える。特に気候変動に脆弱な国々への配慮から、1.5度以内に抑える必要性に言及) 酸性雨~pH5.6以下の雨、硫黄酸化物・窒素酸化物などが原因→湖沼の生物の生育を脅かす、森林を枯らす、銅像・建築物などを溶かす エルニーニョ現象~ペルー沖から中部太平洋の赤道付近で海水温度が上昇すること(⇔ラニーニャ現象)。世界的異常気象(干ばつ、洪水などが偏西風波動で拡大)の原因とされる アメニティ(住みよさ、快適さ) <日本の動き> 四大公害訴訟~新潟水俣病(新潟県阿賀野川流域、有機水銀)、四日市ぜんそく(三重県四日市市、大気汚染)、イタイイタイ病(富山県神通川流域、カドミウム)、水俣病(熊本県水俣湾周辺、有機水銀) 公害対策基本法(1967年)→環境基本法(1993年) 環境庁(1971年)→環境省(2001年) 環境アセスメント(環境影響評価)法(1997年) 世界遺産条約(1972年)~文化遺産、自然遺産 •知床(北海道) •白神山地(青森、秋田) •平泉~仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手) •日光の社寺(栃木) •富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬) •小笠原諸島(東京) •富士山~信仰の対象と芸術の源泉(静岡、山梨) •白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜、富山) •古都京都の文化財(京都) •古都奈良の文化財(奈良) •法隆寺地域の仏教建造物(奈良) •紀伊山地の霊場と参詣道(熊野古道)(和歌山、奈良、三重) •姫路城(兵庫) •石見銀山遺跡とその文化的景観(島根) •原爆ドーム(広島) •厳島神社(宮島)(広島) •明治日本の産業革命遺産(山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、岩手、静岡) •屋久島(鹿児島) •琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄) ③人口問題 人口爆発(発展途上国)~多産多死→多産少死(医学・公衆衛生の発達) 人口革命(人口転換、先進国)~多産少死→少産少死(少なく産んで大切に育てる) 人口構造~一極集中化、過疎化、ドーナツ化現象(都心部の人口が減少し、郊外に流出)、スプロール現象(郊外部の無秩序な市街地拡大) 人口構造グラフ~富士山(ピラミッド)型(多産多死型)、釣鐘型(少産少死型)、紡錘(つぼ)型(少産少死の行き過ぎ)、星型(大都市、生産年齢層の大量流入)、ひょうたん型(過疎地域、生産年齢層の流出) 人口移動~外国人労働者、不法就労、難民、Uターン現象(大都市での大学卒業後、郷里に戻って就職する)、Jターン現象(郷里の近くへ就職する)、都心回帰 少子化~合計特殊出生(しゅっしょう)率(女性が一生のうちに出産する子供の数、人口維持のためには2.08必要)1.29(2003年)、女性の社会進出→晩婚化・未婚化、エンゼルプラン(1994年)、育児・介護休業法(1995年) 高齢化~高齢化社会(高齢化率=全人口における65歳以上人口の占める割合が7%以上、日本は1970年に突入)→高齢社会(高齢化率14%以上、日本は1994年に突入)→超高齢社会(高齢化率21%以上)~ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10カ年戦略、1989年)→新ゴールドプラン(1994年)→ゴールドプラン21(1999年)、介護保険(2000年4月施行、介護の社会化) ④医療問題 生命倫理(bioethics)~1960年代後半から形成されてきた新しい統合的学問分野で、社会的合意の形成を目指して、特に先端生命医科学技術の急激な展開に伴う臨床研究・治療をめぐるガイドラインづくりなど、公共政策の理論的根拠を提示してきた。その基本原理として、自己決定(autonomy)、善を行なう(beneficence)、公正(justice)、平等(equality)、などが挙げられる。 生命の質(QOL=quality of life)~人生の質、生活の質。患者の人生や生活の質的な面に重点を置いて、医療を行おうとする考え方。 生命の尊厳(SOL=sanctity of life)~人間の生命そのものを絶対的な価値を持つものとする考え方。 自己決定権~患者が自己の治療についての決定権を持つという、生命倫理の基本的な考え方。 インフォームド=コンセント~説明と同意。医師が患者やその家族に対して、治療の目的や方法、副作用や治療費などについて十分に説明し、患者や家族がそれに同意すること。治療を行う時の原則とされる。 セカンドオピニオン~医療において、診断や診療方針などが適切かどうかを主治医以外の他の医者からも意見を聞くこと。 終末期医療(terminal care)~がんの末期など死期が近づいた人に苦痛や死の恐怖をやわらげる医療。 ホスピス(hospice)~末期患者のケア・システム、緩和ケア(palliative care)。 尊厳死~本人の生前の意思(リヴィング=ウィル)に基づいて、治療の見込みの無い末期患者に対して延命措置を止め、寿命が尽きれば息を引き取る自然な死を迎えさせること。自然死とも言う。 安楽死~治療の見込みが無く、苦痛が激しい末期患者に対して、生命維持装置を外して自然な死を迎えさせたり(消極的安楽死)、本人の意思に基づいて、医師が薬物などを投与して積極的に死に至らしめること(積極的安楽死)。 脳死(brain death)~頭部外傷や脳卒中などで脳幹・大脳など脳全体の機能が失われ、二度と回復しない状態。 臓器移植(organ transplantation)~臓器移植法(1997年施行、「臓器移植を希望する人においてのみ脳死は人の死」)→改正臓器移植法(2010年、本人の意思が不明な場合には家族の承諾で臓器が提供でき、15歳未満の脳死臓器提供も可能に)、「親族優先提供」(死後に臓器を提供する意思に併せて親族に優先的に提供できる意思を書面により表示できる) 死生学(サナトロジ-、thanatology)~「死」と「死への過程」の諸問題を学問的に扱う研究。エリザベス・キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』などの著作を契機に、1970年代から飛躍的な進歩を遂げた。自立した死生観の確立を目指した死への準備教育(death education)、末期患者の家族と遺族に対する悲嘆教育(grief education)などが注目される。 生殖医療(reproductive health care)~不妊治療(sterility treatment)の急速な発展→生殖革命(reproductive revolution)。 体外受精(IVF=In Vitro Fertilization)~精子と卵子を共に体外に取り出して受精させた後、受精卵を女性の体内に戻して妊娠させる方法。排卵誘発剤を用いて1度に多くの卵子を採取することが多い。国内では1983年に初めて成功している。 人工授精(artificial insemination)~精子だけを取り出して注射器で子宮に注入し、体内で受精させる方法。精子ができないなど男性不妊の場合、提供精子に基づく人工受精(AID)が国内では1949年から慶応大病院を中心に行なわれている。大学病院などでは医学生の精子などが使われており、匿名が原則で、提供者は夫婦には知らされない。 ヒトゲノム計画(Human Genome Project)~人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)には23対の染色体に記されており、約2万2000個の遺伝子があるとされるが、国際チームは生命活動に欠かせない約28億3000万個の塩基配列の解読を終え、2003年4月に「完成版」にこぎ着けた。ここから患者1人1人の遺伝子のタイプを調べ、その患者に効き目があり、副作用が無い薬を処方するといったオーダーメイド医療(made-to-order medicine)の可能性が出てくる。 クローン(clone)~羊の成獣の乳腺から取り出した細胞を使い、遺伝子が親と全く同じ「クローン羊」ドリ-が1996年7月に世界で初めて誕生した。これは従来の受精卵クローンに対する体細胞クローンと呼ばれる技術であり、受精卵クローンがどんな大人になるか分からないといった不安定さを抱えていたのに対して、成体の体細胞クローンでは遺伝形質の99%以上を受け継ぐと考えられている。1998年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会で、人間の遺伝子研究に関する初の政府レベルの国際倫理方針「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が採択され、人間の遺伝情報の総体であるヒトゲノムを「象徴的な意味で人類の遺産」であるとして、その研究の重要性を認める一方、遺伝的な特徴を理由にした差別や遺伝情報をそのまま経済的利益の対象とすることを認めず、その売買などを禁じたほか、クローン人間作りも「人間の尊厳に反し、許されない」と明言した。 再生医学(regenerative medicine)~ヒトの細胞や遺伝子で組織や臓器を作り、治療に活用する医学。 ES細胞(Embryonic Stem Cell、胚性幹細胞)~受精後の胚盤胞を利用して作成された万能細胞。倫理的問題を含む。 iPS細胞(Induced Pluripotent Stem Cells、人工多能性幹細胞)~皮膚や、血液などの体細胞から作成された万能細胞。
①青年期の意義 反抗期~第一反抗期(2~4歳)、第二反抗期(13~14歳) 青年期~モラトリアム(猶予期間、アメリカの心理学者エリクソン)、アイデンティティ(自我同一性、エリクソン→アイデンティティの拡散・危機・確立)、マージナル=マン(境界人・周辺人、ドイツの心理学者レヴィン)、「第二の誕生」(ルソー)、発達課題(ハヴィガースト) 欲求~マズローの欲求階層説(生理的欲求→安全の欲求→所属・愛情の欲求→承認・自尊心の欲求→自己実現の欲求) 防衛反応~欲求不満(フラストレーション)→防衛機制~抑圧(嫌なことを忘れようとする)、合理化(自分の行動が正当であることを証明しようとする、イソップ童話「すっぱいぶどう」)、同一視・投射(自分をすばらしい地位の人と同一視する、また、自分の嫌な所を人のせいにする)、反動形成(実際とは逆の態度や行動の型を強調する)、逃避・退行(低い要求水準に退く)、代償(代わりのもので満足する)、昇華(より高次元のものを得るよう努力する) ②風土と文化 人間観~ホモ=ルーデンス(遊ぶ人、オランダ・ホイジンガ)、ホモ=サピエンス(理性のある人、スウェーデン・リンネ)、ホモ=ファーベル(工作する人、フランス・ベルクソン) 風土と文化類型(和辻哲郎『風土』)~モンスーン型(気まぐれな自然、南アジア・東アジア沿岸地域→鋭敏な感受性と受容性、忍従的な生き方、農耕)、砂漠型(荒々しい自然、アラビア・アフリカ・モンゴル→部族の命令に絶対服従し、団結する戦闘的な生き方、遊牧)、牧場型(穏やかな自然、ヨーロッパ→従順な自然の中で合理的な思考と生き方、農耕・牧畜) 日本文化~ハレ(特別の日)とケ(日常)、四季(風流~雪月花・花鳥風月)と年中行事、恥の文化(⇔罪の文化、ルース=ベネディクト『菊と刀』)、島国文化(閉鎖的・排他的、本音と建前、強い帰属意識、村八分)、無常観(わび・さび)、和洋折衷(和魂洋才) 自民族中心主義(自文化中心主義、ethnocentrism)と文化相対主義(cultural relativism) 多文化主義(multiculturalism)~1つの国家ないし社会の中に、複数の異なる人種・民族・集団の持つ文化の共存を認め、そのための方策を積極的に進める考え方。 文化的多元主義(cultural pluralism⇔同化主義)~諸民族が単純に同化・融合に努めるのではなく、それぞれの民族性や文化特性を保持しつつ、共存していこうとする立場・主張。 ③宗教と思想 <宗教> ユダヤ教~モーセ、十戒、律法、唯一神ヤハウェへの信仰と契約 キリスト教~イエス=キリスト、『旧約聖書』『新約聖書』、神の愛(アガペー⇔エロース)と隣人愛(⇔友愛、フィリア)、ローマ=カトリックとプロテスタントとギリシア正教 イスラーム教~預言者ムハンマド(マホメット)、『クルアーン(コーラン)』、六信(唯一神アッラー、天使、聖典、預言者、来世、天命に対する信仰)五行(信仰告白、礼拝、断食<断食月をラマダーンと言う>、喜捨<ザカート>、巡礼といった実践)、スンナ(スンニー)派とシーア派 仏教~ガウタマ(ゴータマ)=シッダールタ(釈迦、仏陀)、『阿含経』『般若経』『華厳経』『法華経』『浄土三部経』など、縁起の法、四法印(一切皆苦・諸行無常・諸法無我・涅槃寂静)と四諦(苦諦~四苦八苦、集諦~十二因縁、滅諦~解脱・成仏、道諦~八正道)、上座部仏教と大乗仏教(菩薩、慈悲、六波羅蜜→初期大乗:竜樹<ナーガールジュナ>・空、中期大乗:世親<ヴァスパンドゥ>・唯識、後期大乗・密教) ジャイナ教~ヴァルダマーナ(マハーヴィーラ)、不殺生(アヒンサー) 儒教~孔子、四書五経、仁と礼、孟子(性善説、徳治主義、王道政治)と荀子(性悪説、→法家思想)、朱子学(宋学、朱熹、理気二元論、性即理、格物致知、居敬窮理)と陽明学(王陽明、心即理、致良知、知行合一) <ギリシア哲学> 哲学~愛知(フィロソフィア)、ロゴス(論理、理法、理性、言葉)、テオリア(観想、観照) アルケー(万物の根源)論~イオニア自然哲学、タレス(水)、ヘラクレイトス(火、「万物は流転する」)、ピタゴラス(数)、デモクリトス(原子) ソフィスト(弁論術の教師)~プロタゴラス(「人間は万物の尺度である」、相対主義) ソクラテス~「汝自身を知れ」「ソクラテス以上の知者はいない」(デルフォイの神託)、(無知の無知→)無知の知(→真知)、問答法(産婆術、助産術)、徳(アレテー)→魂への配慮・知徳合一・知行合一・福徳一致 プラトン~イデア論、『国家』、四元徳(理性~知恵、気概~勇気、欲望~節制→正義)と哲人政治 アリストテレス~形相(エイドス)と質料(ヒュレー)、観想(テオリア)+中庸→習慣(エトス)→性格(エートス、性格的徳)、「人間は政治(ポリス)的動物である」、配分的正義(功績・能力・地位などに応じて富や財産を配分する、比例を基礎とした正義)と調整的正義(各人を等しく扱い、過不足を調整する、平等を基礎とした正義) ストア学派~ゼノン、禁欲主義→アパティア(不動心。ア〔否定〕+パトス〔情念〕)、「自然に従って生きよ」 エピクロス学派~エピクロス、精神的快楽主義→アタラクシア(魂の平安。ア+煩わしさ)、「エピクロスの園」「隠れて生きよ」「忘れられて生きよ」「人目を避けて生きよ」 世界市民主義(コスモポリタニズム) <日本思想> 聖徳太子~「和をもって貴しとなす」「凡夫」(「十七条憲法」)、「世間虚仮(せけんこけ)、唯仏是真(ゆいぶつぜしん)」、『三経義疏(さんきょうのぎしょ)』(『法華経』『勝鬘経』『維摩経』の注釈書) 空海~真言宗(密教、本質的~儒仏道・仏教諸経典の教相判釈)、高野山金剛峰寺、大日如来(宇宙の根本原理)、即身成仏、三密加持(身密・口密・意密) 最澄~天台宗(法華宗、総合的~四種相承:円〔天台〕・密〔真言〕・禅・戒)、比叡山延暦寺、「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」「一隅(いちぐう)を照らす」 修験道(しゅげんどう)~雑密(ぞうみつ、純密以前の密教)+山岳信仰 神仏習合~本地垂迹説(日本の神々は本来、仏や菩薩であったもの〔本地〕が、人々を救うために姿を変えて、この世に現われた〔垂迹〕ものである) 浄土信仰~空也(「市聖」)、源信(観想念仏、「厭離穢土<おんりえど>、欣求浄土<ごんぐじょうど>」『往生要集』) 法然~浄土宗(他力系、称名念仏)、「南無阿弥陀仏」、『選択本願念仏集』 親鸞~浄土真宗(他力系、専修念仏)、悪人正機説、『教行信証』、『歎異抄』(唯円) 栄西~臨済宗(自力系、公案禅、超論理)、『興禅護国論』 道元~曹洞宗(自力系、座禅、非論理)、修証一等(修行と悟りは同一)只管打坐(しかんたざ)、身心脱落(しんじんだつらく)、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』 日蓮~日蓮宗(共力系、題目)、「南無妙法蓮華経」、四箇格言(しこかくげん、「念仏無間、禅天魔、真言亡国、律国賊」)、『立正安国論』 一遍~時宗、踊念仏(おどりねんぶつ) 朱子学(京学)~藤原惺窩(せいか、秀吉の朝鮮侵略の捕虜となって来日した姜沆〔きょうこう〕から朝鮮朱子学を学ぶ)→林羅山(上下定分の理、存心持敬、徳川家康の顧問)→湯島聖堂(林家の家塾)→昌平坂学問所(寛政異学の禁) 朱子学(南学、海南学派)~南村梅軒(みなみむらばいけん、土佐)→谷時中(たにじちゅう)→山崎闇斎(あんさい、崎門〔きもん〕学派、垂加神道〔すいかしんとう〕、会津藩主保科正之の顧問) 朱子学(薩南学派、薩摩)~桂庵玄樹(けいあんげんじゅ) 陽明学~中江藤樹(「近江聖人」、『翁問答』、孝)→熊沢蕃山(くまざわばんざん、『大学或問〔だいがくわくもん〕』、岡山藩主池田光政の顧問) 古学~山鹿素行(やまがそこう、士道、『聖教要録』『中朝事実』)→伊藤仁斎(古義学、誠、忠信)→荻生徂徠(おぎゅうそらい、古文辞学、先王の道・礼楽刑政としての道・安天下としての道、『弁道』)→太宰春台(だざいしゅんだい、『経済録』) 国学~契沖(けいちゅう)→荷田春満(かだのあずままろ)→賀茂真淵(かものまぶち)→本居宣長(もとおりなが、「もののあはれ」、惟神<かんながら>の道⇔漢意<からごころ>、『古事記伝』『源氏物語玉の小櫛<おぐし>』『玉勝間<たまかつま>』)、塙保己一(はなわほきいち、和学講談所、『群書類従』)→平田篤胤(あつたね、復古神道) 国学の四大人(しうし)~荷田春満、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤 明六社~福沢諭吉(「一身独立して一国独立す」)、中村正直(スマイルズ『西国立志編』、ミル『自由之理』)、天賦人権論 内村鑑三~教育勅語不敬事件、無教会主義、二つのJ 新渡戸稲造~『武士道』、「われ太平洋の橋とならん」 夏目漱石~自己本位、則天去私 森鴎外~諦念 西田幾多郎~純粋経験(主客未分の直接状態)、『善の研究』 和辻哲郎~間柄的存在(個人と社会の弁証法的統一) 柳田国男~民俗学、常民、『遠野物語』 折口信夫(しのぶ)~まれびと 柳宗悦(やなぎむねよし)~民芸 <近代哲学> ベーコン~イギリス経験論(感性)、帰納法、『新機関(ノブム=オルガヌム)』、イドラ論(種族のイドラ=人間という種族の本性から来る偏見、洞窟のイドラ=各個人の生活環境・性格などから来る偏見、劇場のイドラ=権威や伝統に盲従するところから来る偏見、市場のイドラ=言葉による誤解などから来る偏見)、「知は力なり」 ロック~白紙(タブラ・ラサ) バークリー~物体の存在を否定、「存在するとは知覚されること」 ヒューム~懐疑論(カントに影響)、物体という実体のみならず精神という実体の存在を否定 デカルト~大陸合理論(理性)、演繹法、『方法叙説』、方法的懐疑、「我思う、故に我あり」(コギト・エルゴ・スム)、良識(ボン・サンス、理性) スピノザ~汎神論(神即自然)、事物を「永遠の相のもとに」認識する、『エチカ』 ライプニッツ~モナド(実在を構成する究極要素、単子、その変化は神の予定調和によって定められている) モンテーニュ~懐疑の精神、「われ何を知るか」(ク・セ・ジュ)、『随想録』(エセー) パスカル~『瞑想録』(パンセ)、「人間は考える葦である」、中間者 カント~ドイツ観念論(悟性、先天形式)、コペルニクス的転回(「認識が対象に従う」→「対象が認識に従う」)、『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』、格率(行動方針)→定言命法(「汝~すべし」)→善意志(動機主義)→人格(自律、自由)→目的の王国→永久平和論 ヘーゲル~弁証法(正反合、テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼ、矛盾・対立・止揚)、絶対精神の自己展開、人倫の三段階(客観的法と主観的道徳の統一、家族→市民社会→国家)、『法の哲学』『精神現象学』 功利主義~善悪の基準を解約や幸福を生み出すのに役立つかどうか(功利性、効用性)に求める ベンサム~量的功利主義、「最大多数の最大幸福」、制裁(公益を損なう行為をした者には、その行為によって得た利益を上回る不利益を与える) J.S.ミル~質的功利主義、「満足した豚であるよりも不満足な人間である方がよく、満足した愚か者であるよりも不満足なソクラテスである方がよい」) プラグマティズム~実用主義、パース→ジェームズ→デューイ(道具主義、創造的知性) 空想的社会主義~ロバート=オーエン(スコットランド:ニューラナークの工場村→アメリカ:ニューハーモーニー村)、サン=シモン(フランス、産業社会論)、フーリエ(フランス、ファランジュ) マルクス~科学的社会主義(共産主義)、唯物弁証法、唯物史観(下部構造と上部構造)、『共産党宣言』『資本論』 キェルケゴール~実存主義、実存の三段階(実存弁証法、美的実存・倫理的実存・宗教的実存)、単独者 ヤスパース~限界状況(暗号)→実存的交わり(「愛しながらの戦い」) ニーチェ~力への意志(権力意志)、ルサンチマン(強者に対する弱者の怨恨感情)、ニヒリズム(「神は死んだ」)、永劫回帰、超人思想 ハイデッガー~現存在(人間の存在)、世界内存在、死への存在、良心、「ひと」(ダス・マン、死から目をそらし、人々の間に自己を埋没させ、無責任な生き方をしている人間の在り方)、『存在と時間』 サルトル~「実存は本質に先立つ」「人間は自由の刑に処せられている」、投企(絶えず未来へ、自分の可能性に向けて自己を投げかけていくこと)、アンガジュマン(自分を自分の中だけに閉じこもらせず、広く社会へと関わらせること) <現代哲学> シュヴァイツァー~生命への畏敬(いけい) ガンディー~アヒンサー(不殺生<ふせっしょう>、非暴力) フランクフルト学派~近代的理性批判、道具的理性(自然支配のための手段としての理性)、ホルクハイマー、アドルノ、『啓蒙の弁証法』 ハーバーマス~対話的理性(道具的合理性→コミュニケーション的合理性) フランクル~意味への意志(どのような状況下に置かれても、生きる意味を見出すことは可能である)、『夜と霧』 構造主義~構造(人間の思想や行動の根底にあって、それを規定している、無意識的で社会的な普遍的なシステム)、西洋中心主義・理性中心主義批判 レヴィ=ストロース~「野生の思考」(未開民族の思考も、西洋人の科学的思考と精密さや厳密性において劣ることはない) フーコー~知の考古学(知識の背後に潜む権力構造の解明)、『狂気の歴史』 サイード~オリエンタリズム(近代西欧社会は東洋を後進的でエキゾティックな他者と見なすことで、自らを先進的で文明化されているととらえる思考様式)→人種差別主義、植民地支配の正当化 ロールズ~公正としての正義、第一原理(平等な自由の原理)→第二原理(格差の是正、不平等の条件としての公正な機会均等の原理と格差の原理) アマルティア=セン~「潜在能力」(選び得る人生の選択肢の幅)の開発→貧困の克服のためには、所得向上だけでなく、教育や医療の保障、社会参加などの民主主義的な社会基盤に立った「人間的発展」が必要→「人間の安全保障」
①民主主義 <国家> 国家の三要素~領域・主権・人民 国家観の変遷~夜警国家(18~19世紀、国防・治安維持など最小限の仕事に限る、小さな政府、消極国家)、自由放任主義<レッセ=フェ-ル>)→行政国家(20世紀、社会政策・財政政策などを通じて積極的に国民生活に関わる、大きな政府、積極国家、福祉国家) <基本理念> 自然法思想~法の支配と法治主義、グロティウス(「国際法・自然法の父」、『戦争と平和の法』) 社会契約論~絶対主義(王権神授説)への対抗理論、ホッブス(『リヴァイアサン』、自然状態「万人の万人に対する闘争状態」「人間は人間に対して狼である」→自然権放棄、社会契約→国家権力への絶対服従→絶対主義擁護)、ロック(『統治論二篇〔市民政府二論〕』、自然状態:不安定→社会契約→革命権・抵抗権→アメリカ独立革命・フランス革命)、ルソー(『社会契約論』、自然状態:自由・平等→社会状態:不平等→一般意志に基づく人民主権論・直接民主制→フランス革命、「自然に帰れ」) 基本的人権の保障~自由権(1215年、マグナ=カルタ→1628年、権利請願→1689年、権利章典→1776年、アメリカ独立宣言→1789年、フランス人権宣言)、社会権(20世紀的基本権=生存権・教育を受ける権利・労働基本権~1919年、ワイマール憲法→1948年、世界人権宣言)、参政権(普通選挙⇔制限選挙)、受益権(国務請求権) <民主主義> 民主主義の理念~「人民の、人民による、人民のための政治」(リンカン) 近代民主政治の原理~議会制民主主義(代議制)、三権分立(立法・行政・司法、モンテスキュー『法の精神』) 民主政治の形態~議院内閣制(イギリス、立法権と行政権の関係が密、議会~内閣の長=首相を選出、内閣不信任決議権、国務大臣は国会議員<イギリスは全員、日本は過半数>、下院の優越、内閣~議会に対して責任、議会の解散権)⇔大統領制(アメリカ、三権分立を徹底、大統領~大統領選挙によって国民の信任<形式的には大統領選挙人による間接選挙だが、実質的に直接選挙>、議会の解散権なし、議会に法案を提出できない<教書~一般教書・予算教書・特別教書などによって協力要請>、拒否権、任期4年で3選禁止、議会~大統領の不信任決議権なし、下院は任期2年で民意を反映しやすいとする) ②日本国憲法 大日本帝国憲法(明治憲法、1889年公布)~プロシア憲法(君主権が強い)を参考、欽定憲法、天皇主権、天皇大権(統帥権など)、基本的人権は自由権のみ、枢密院(天皇の諮問機関)設置、内閣(天皇の輔弼機関)は天皇に対して責任を負う、特別裁判所(行政裁判所など)設置、地方自治の規定なし、臣民に兵役の義務 日本国憲法(1946年11月3日公布、1947年5月3日施行)~民定憲法、国民主権、天皇は日本国及び日本国民統合の象徴、基本的人権に社会権を含む、内閣は国会に対して連帯責任を負う、特別裁判所禁止、地方自治の尊重 ③基本的人権の保障 公共の福祉~基本的人権を制限 自由権~精神的自由(思想・良心の自由=絶対的自由権、信教の自由、集会・結社・表現の自由、学問の自由)、経済的自由(居住・移転・職業選択の自由、財産権の保障)、人身(身体)の自由(奴隷的拘束及び苦役からの自由、法廷手続の保障、罪刑法定主義) 社会権(20世紀的基本権)~生存権(健康で文化的な生活を営む権利)、教育を受ける権利(保護者には子女に教育を受けさせる義務がある)、労働基本権(勤労権+労働三権~団結権・団体交渉権・団体行動権、公務員には制限がある) 参政権~選挙権・被選挙権、公務員選定罷免権 請求権(国務請求権・受益権)~請願権、国家賠償請求権、裁判を受ける権利、刑事補償請求権 新しい人権~環境権(日照権など)、プライバシーの権利(→個人情報保護法)、知る権利(→情報公開法)、アクセス権(言論の自由を確保するため、一般大衆がマス=メディアを利用して自己の意見を表明する権利。反論権、意見広告掲載請求権) ④三権分立 <国会> 「国権の最高機関で、国の唯一の立法機関」(憲法41条)~通常国会(毎年1回、1月召集、会期150日)、臨時国会、特別国会(衆議院解散後の衆議院総選挙後30日以内に召集、内閣総理大臣の指名)、参議院の緊急集会 衆議院~定員465名(小選挙区289名、比例代表176名<拘束名簿式>)、任期4年(解散あり)、被選挙権は25歳以上、優越(法律案議決、予算の先議・議決、条約承認、内閣総理大臣指名→任命は天皇)、内閣不信任決議 参議院~定員248名(都道府県単位選挙区148名、全国単位比例代表100名<非拘束名簿式>)、任期6年(3年ごとに半数改選)、被選挙権は30歳以上 両議院に関する権限・特色~不逮捕特権、国政調査権、両院協議会、委員会制・公聴会制、定足数(総議員の3分の1以上の出席で議事成立)・表決数(出席議員の過半数で成立、可否同数の場合は議長決済)、弾劾裁判所(裁判官に対する裁判)設置、憲法改正発議(総議員の3分の2以上で発議、国民投票の過半数で改正~硬性憲法) <内閣> 内閣~国会に対して連帯して責任を負う(「行政権の肥大化」に対する「立法権の優位」) 内閣総理大臣~国会議員の中から国会の議決で指名、天皇が任命、文民でなければならない 国務大臣~内閣総理大臣が任命、過半数は国会議員、文民でなければならない 内閣総辞職~衆議院が内閣不信任案を議決または信任決議案を否決した時(10日以内に衆議院を解散した時はこの限りではない)、衆議院総選挙後初めて国会の召集があった時、内閣総理大臣が欠けた時、内閣がその任にとどまることが適当でないと考えた場合にはいつでも総辞職し得る <裁判所> 司法権の独立~「すべて裁判官は、その良心に従い独立して職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される」(憲法76条)、最高裁判所・下級裁判所(高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所)、特別裁判所の禁止、違憲立法調査権 最高裁判所~長官(内閣の指名→天皇の任命)、長官以外の最高裁裁判官(14名、最高裁指名→内閣任命)、定年70歳、10年に1回の国民審査 三審制~原則として、1つの事件について、3回まで裁判を受けることができる。第一審の判決に不服として上訴することを控訴、第二審の判決を不服として上訴することを上告と言う。 裁判員制度(2009年)~重大な刑事事件の裁判に一般市民から無作為に選ばれた裁判員(6人)が裁判官(3人)と共に審理に参加し、有罪・無罪や量刑などを決める制度。第一審(地方裁判所)のみ。禁錮以上の刑に処せられた人、心身の故障がある人、事件関係者などはなれない。 ⑤地方自治 地方自治の本旨~住民自治(国民ではなく住民)・団体自治(地方公共団体)、「地方自治は民主主義の学校である」(ブライス) 首長~直接選挙による住民の信任、議会解散権、拒否権 議会~直接選挙による住民の信任、不信任決議権 条例制定権 直接請求権~条例の制定・改廃(イニシアチブ、有権者の50分の1以上の署名→首長)、監査請求(有権者の50分の1以上の署名→監査委員)、議会の解散請求(有権者の3分の1以上の署名→選挙管理委員会)、議員・首長の解職請求(リコール、有権者の3分の1以上の署名→選挙管理委員会)、主要公務員の解職請求(リコール、有権者の3分の1以上の署名→首長) 地方分権一括法(1999年)~固有事務・機関委任事務(三割自治)→自治事務・法定受託事務(国政選挙、旅券発行、国の指定統計、国道管理など) ⑥現代政治の諸問題 政党政治~二大政党制(政局が安定しやすい、政権交代がし易い、選挙の際に選択が簡明・容易、政治責任が明確、国民の多様な政治意思を十分に吸収できない)、多党制(国民の多様な政治意思を反映しやすい、多数党の独裁が避けられる、連立内閣になりやすくて政局が不安定になる、政治責任が不明確になりやすい) 圧力団体(利益集団、プレッシャー=グループ)~特殊利益集団、日本経済団体連合会(経団連+日経連)、日本医師会、ロビイ(アメリカの圧力団体)・ロビイスト(専門の代理人) 選挙~小選挙区制(定員1名、政局安定、有権者が候補者をよく知ることができる、選挙費用の節約、死票が多い、ゲリマンダー=恣意的な選挙区割りの危険性)、大選挙区制(定員2名以上、死票が少ない、少数政党も代表を出せる、政局不安定、候補者との結びつきが弱い、選挙費用が多額)、比例代表制(拘束名簿方式、ドント方式) 行政の民主化~情報公開制度、オンブズマン制度(行政監察官制度、スウェーデンより)
①資本主義 商業資本主義(重商主義)→産業資本主義(自由主義)→独占資本主義(帝国主義) 商業資本主義~商業資本、囲い込み運動(エンクロージャー)→農村から都市に放出された労働者、問屋制家内工業・工場制手工業(マニュファクチュア)、重商主義政策(商業資本家による海外貿易、絶対王政と結びついた一部特権商人を擁護) 産業資本主義~産業資本家、産業革命→工場制機械工業、自由放任政策(レッセ=フェール) 独占資本主義~生産と資本の集中→独占、金融資本(銀行資本+産業資本)、帝国主義政策(植民地・市場獲得、世界分割) 社会主義~マルクス『資本論』→レーニン・ロシア革命→ソ連~生産手段の公有・計画経済・労働に応じた分配→中国~社会主義市場経済(経済特区、鄧小平) 修正資本主義~世界恐慌(1929年、アメリカ~)→ニューディール政策(フランクリン=ローズヴェルト、産業復興法<NIRA>、テネシー河流域開発公社<TVA>)→オイルショックとスタグフレーション(不況+インフレ)→サッチャリズム・レーガノミクス 古典派経済学~アダム=スミス(『諸国民の富<国富論>』、「見えざる手」)、リカード(比較生産費説→自由貿易)、マルサス(『人口論』) 近代経済学~限界革命(「限界効用」の発見~メンガー・ワルラス・ジェヴォンズ)、ケインズ革命(有効需要、金本位制→管理通貨制度) ②市場機構 再生産~拡大再生産、単純再生産、縮小再生産 財~生産財、消費財、耐久消費財 価格~生産価格、市場価格、独占価格 価格の自動調整機能(見えざる手、需要・供給の法則、完全競争市場において機能)~価格上昇→需要減少・供給増大(超過供給)→価格低下→均衡価格へ、価格低下→需要増大・供給減少(超過需要)→価格上昇→均衡価格へ ③現代企業 企業~公企業、私企業、公私混同企業(第三セクター<政府や自治体と民間企業が共同出資して設立する事業団>など) 合名会社~人的結合の強い小規模同族会社に見られる、無限責任社員(会社の債務について、自己の全財産をあげて弁済する義務を負う) 合資会社~人的結合の強い小企業に多い、無限責任社員+有限責任社員(出資額の限度内において責任を負う) 有限会社~中小企業に多い、有限責任社員、2006年より新設禁止 株式会社~株式発行→有限責任の出資者である株主(利潤の一部を配当として受け取る、株主総会で1株1票の議決権)、所有と経営の分離、最低資本金制度廃止(2006年会社法) 合同会社~2006年会社法による、有限責任社員、定款自治で議決権・配当比率差の設定可能 独占~カルテル(企業連合)・トラスト(企業合同)・コンツェルン(企業集中)、持株会社(1997年に50年ぶりに設立解禁)、寡占(複数企業による市場の独占)、独占禁止法(公正取引委員会)、管理価格(プライス・リーダー<価格先導者>)、価格の下方硬直性、非価格競争(宣伝競争・サービス競争・品質競争など) 現代企業の特徴~企業集団、複合企業(コングロマリット)、M&A(企業合併・買収)、ベンチャー企業、多国籍企業(中継貿易・加工貿易→海外拠点) ④国民所得 国民総生産(GNP)~総生産額―中間生産物(原材料)の価額 国内総生産(GDP)~国民総生産―海外からの純要素所得 国民純生産(NNP)~国民総生産―減価償却費(固定資本減耗) 国民所得(NI)~国民純生産―間接税+補助金 三面等価の原則~生産国民所得(第一次産業、第二次産業、第三次産業)=分配国民所得(雇用者報酬、企業所得、財産報酬)=支出国民所得(民間消費、政府消費、民間投資、政府投資) 経済成長率(%)~(本年度GDP―前年度GDP)÷前年度GDP×100、名目経済成長率(物価変動を考慮せず)と実質経済成長率(GDPデフレータにより物価変動を考慮) 国富~一定時点に一国内に存在するストック(蓄えられた資産の合計、これに対して国内総生産などは1年単位の動きを見るフロー)の合計=個人資産+企業資産+社会資本 ⑤景気循環 キチンの波(キチン=サイクル)~約4年周期、在庫投資による ジュグラーの波(ジュグラー=サイクル)~7年から10年周期、設備投資による クズネッツの波(クズネッツ=サイクル)~約20年周期、建設投資による コンドラチェフの波(コンドラチェフ=サイクル)~50年から60年周期、技術革新による インフレーション~長期間にわたる継続的物価上昇、貨幣の過剰流通→貨幣価値下落 デフレーション~通貨の必要量以下への収縮、供給超過→貨幣価値上昇、物価下落、生産減少、失業 スタグフレーション~不況による経済停滞(スタグネーション)下でのインフレ ⑥金融政策 本位制度~金本位制(本位貨幣=金、19世紀後半以降各国に普及、兌換紙幣→紙幣発行量は金準備高に拘束)、銀本位制(本位貨幣=銀) 管理通貨制度~不換紙幣、中央銀行・政府の管理(通貨量調節)→金融・財政政策による景気の安定、インフレーションの可能性 中央銀行~発券銀行、政府の銀行、銀行の銀行 中央銀行の3大金融政策(通貨残高=マネー=ストックの調整による)~公定歩合政策(間接的:公定歩合=中央銀行の市中銀行に対する貸出利率、好況→引き上げ、不況→引き下げ)、公開市場操作(直接的:国債・公債などの有価証券を金融市場で売買、好況→売りオペレーション、不況→買いオペレーション)、支払(預金)準備率操作(強制的:市中銀行が中央銀行に預けている支払準備金の割合=支払準備率を変動させる、好況→引き上げ、不況→引き下げ、日本では1991年以降1.2%) 日本の金融政策~質的金融緩和(公定歩合引き下げ、銀行間のインターバンク市場における無担保コールレート翌日物〔銀行間で担保なしに1日資金を貸し出す際の金利〕引き下げ→ゼロ金利政策〔1999年2月~2000年8月、2001年3月~2006年7月〕→基準割引率および基準貸付利率<2006年8月~>)→量的金融緩和(国債買い切りオペレーション、銀行保有株式・投資信託まで買いオペ対象に含めることまで含む、2001年3月~2006年7月) 普通銀行の3大業務~預金受け入れ、預金運用(信用創造・預金創造)、為替業務(送金・支払い) 金融の自由化・国際化~護送船団方式(旧大蔵省・日銀が金融機関を保護)→金利の自由化、金融業務の自由化(金融ビッグバン~銀行・証券・保険・信託の垣根撤廃)、金融の国際化(国際決済銀行〔BIS〕規制~国際業務を行う銀行の自己資本比率8%以上、国内業務のみ銀行の自己資本比率4%以上) ⑦財政政策 財政民主主義~財政に関する事項については、国民の代表者である国会の議決によらなければならないとする租税法定主義 財政の3機能~資源配分の調整、所得の再分配、経済の安定化 国債~建設国債、赤字国債(財政法では赤字国債の発行を禁止しているため、単年度ごとに特例法を制定して発行する、1990~93年は発行されず) 直接税~担税者と納税者が同一人、国税に所得税・法人税・相続税など、地方税に住民税・固定資産税・事業税など 間接税~担税者と納税者が別人、国税に酒税・消費税・関税など、地方税に地方たばこ税・特別地方消費税など 直間比率~税収入に占める直接税と間接税の比率、シャウプ勧告→直接税中心の税体系(直間比率7:3)→消費税導入→間接税中心の税体系を目指す(現在、直間比率6:4) 課税~累進課税(所得税など、所得が多い人ほど高率の税金を納める、垂直的公平→所得再分配機能)大衆課税(消費税など、水平的公平) 財政政策~フィスカル=ポリシー(補整的財政政策:好況→歳出削減・増税→景気過熱を抑制、不況→公債発行・歳出増加・減税→有効需要創出→景気刺激)、ビルト=イン=スタビライザー(自動安定化装置:好況→社会保障費減少・累進課税により税収増加→景気抑制、不況→社会保障費などの支出増加・税収減少→景気刺激)、財政投融資(国家による投資・融資、「第二の予算」)、ポリシー=ミックス(複数の経済目標達成のために、金融政策と財政政策などを組み合わせて同時実施すること) ⑧日本経済 経済民主化政策~農地改革(寄生地主制解体・自作農創設)、財閥解体(持株会社解散、独占禁止法、過度経済力集中排除法)、労働三法制定(労働組合法・労働基準法・労働関係調整法) 戦後復興~傾斜生産方式、復興金融公庫 ドッジ=ライン(1949年)~経済安定九原則(1948年)の具体化、超緊縮財政、単一為替レート(1ドル=360円) シャウプ税制(1949年)~直接税中心の税体系 特需景気(1950年より)~朝鮮戦争勃発に伴い、アメリカ軍による特別調達需要で工業生産回復 高度経済成長~神武景気(1954年より)から、「もはや戦後ではない」(1957年経済白書)、国民所得倍増計画(1960年、池田内閣)、経済協力開発機構(OECD)加盟(1964年) ニクソン=ショック(1971年)~金・ドル交換停止→スミソニアン合意(1972年、1ドル=308円へ円切り下げ)→変動相場制移行(1973年) 第1次オイル=ショック(1973年)→「狂乱物価」、過度のインフレ、戦後初のマイナス成長(1974年)、赤字国債発行(1975年)→第2次オイル=ショック(1979年) 三公社(電電公社・専売公社・国鉄)民営化~中曽根内閣(1982~87年) プラザ合意(1985年)~日米貿易摩擦問題→ドル安円高誘導→「円高不況」 平成(バブル)景気(1886年11月~1991年2月、51ヵ月間)→バブル崩壊、不良債権問題、「失われた10年」、デフレ不況 ⑨社会保障制度 <労働問題> 労働基本権~勤労権+労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権、公務員には一部保障されていない) 労働基準法~最低の労働条件を定める(労働条件の原則、労働条件の決定、均等待遇、男女同一賃金の原則、強制労働の禁止、中間搾取の排除、公民権行使の保障)、賃金支払いの原則を定める(最低賃金については最低賃金法、1959年による)、労働時間(週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない) 労働組合法~正当な争議行為(ストライキ、サボタージュ、ピケッティング、ロックアウト)、不当労働行為(使用者のしてはいけないこと) 労働関係調整法~斡旋・調停・仲裁→労働委員会による調整 改正男女雇用機会均等法(1999年施行)~女性差別禁止、セクハラ防止のための配慮義務、労働基準法の女子保護規定撤廃→女性労働者の時間外・休日労働や深夜業務についての規制解消 <社会保障> 「ゆりかごから墓場まで」~ベバリッジ報告(1942年、イギリス) 社会保障制度~社会保険(医療保険~国民皆保険、雇用保険、年金保険~国民会年金、労働災害保険)、公的扶助(生活保護法~生活・教育・住宅・医療・出産・失業・葬祭)、社会福祉(福祉六法~生活保護法・児童福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・老人福祉法・母子福祉法)、公衆衛生 <消費者問題> 消費者主権~ケネディによる消費者の4つの権利(安全を求める権利、知らされる権利、選択出来る権利、意見を反映出来る権利) 消費者保護基本法(1968年)~国・自治体・事業者の責務、消費者の権利を規定 PL法(製造物責任法、1995年)~欠陥商品によって被害にあった消費者は、製品の欠陥を証明すれば、製造者(企業)の過失を立証しなくても、損害賠償を受けられる。 クーリング=オフ制度~訪問販売法などで規定、一定条件の下に契約の無条件解約が出来る 消費者契約法(2000年)~契約を結ぶ過程や内容の適正化を図る。 消費者センター(消費生活センター)~国民生活センターと連携して、消費者への情報提供、苦情処理、商品テストなどの消費者保護政策を行う。
①国際政治 勢力均衡(三国同盟、三国協商)と集団安全保障(国際連盟、国際連合) 国際連盟~平和原則14ヵ条(1918年、アメリカ大統領ウィルソン)→パリ講和会議(1919年、ヴェルサイユ条約)→成立(1920年、本部ジュネーブ、理事会=イギリス・フランス・イタリア・日本)、全会一致主義(意思決定が困難で、迅速な行動ができず)、大国の不参加(アメリカの不参加、ドイツ・ソ連を除外して発足、日本・ドイツ・イタリアの脱退)、非軍事的制裁のみ(強制力が弱い) 国際連合~大西洋憲章(1941年)・ヤルタ会談(1945年)→サンフランシスコ会議(1945年、国際連合憲章決定)→成立(本部ニューヨーク)、総会(1国1票、一般事項は多数決、重要事項は3分の2以上の多数決、決議には勧告的効力のみ、「平和のための結集会議」~拒否権などで機能しない安保理の代わりに強制行動などの措置を取ることができる)、安全保障理事会(常任理事国=アメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシアの5カ国で拒否権を有する、非常任理事国=任期2年の10カ国、決議には法的拘束力があり、軍事行動もある)、経済社会理事会(国連専門機関と連携)、国際司法裁判所(本部ハーグ、裁判官15名) 国連軍(創設されず)→PKO(国連平和維持活動)~停戦監視団(非武装)、PKF(平和維持軍、軽武装) 国連専門機関~国際労働機関(ILO、1919年設立、本部ジュネーブ)、国連食糧農業機関(FAO、本部ローマ)、国連教育科学文化機関(UNESCO、本部パリ)、世界保健機関(WHO、本部ジュネーブ)、国際通貨基金(IMF、通貨に関する国際協力促進、本部ワシントン)、世界銀行(IBRD、国際復興開発銀行、発展途上国の工業開発のために融資、本部ワシントン)、第二世界銀行(IDA、国際開発協会、世界銀行の補助機関、本部ワシントン)、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)、世界貿易機関(WTO、1995年発足、GATT<関税及び貿易に関する一般協定>の格上げ機関) 国連の関連諸機関~国連貿易開発会議(UNCTAD、南北問題対策)、国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連環境計画(UNEP) ⑨国際経済 <国際経済の基本概念> 貿易~自由貿易(リカード:比較生産費説)、保護貿易(リスト:歴史学派) 国際分業~垂直的分業(先進国の製品と途上国の原料・農産物)、水平的分業(工業国間の交換) 比較生産費説~一国における各商品の生産費の比を他国のそれと比較し、優位の商品を輸出して劣位の商品を輸入すれば双方が利益を得て国際分業が行われるという説。比較優位説。 国際収支~ある国の1年間の外国からの受取り(収入)と支払い(支出)の金額を決算したもの。経常収支+資本移転収支-金融収支+誤差脱漏=0という関係式になる。 経常収支~主に財とサービスの輸出入額を示す。経常収支が黒字ということは輸出の方が輸入よりも多い状態を意味する。貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支からなる。 貿易・サービス収支~貿易収支(商品の輸出入に基づく外国との受取り・支払いを示す)、サービス収支(輸送・旅行などのサービス貿易の収支を示す)からなる。 第一次所得収支~海外で得た雇用者報酬と、過去に投資した資産から得た利子・配当などの投資収益からなる。 第二次所得収支~政府・民間による無償の資金援助や、国連分担金などの国際機関への拠出金からなる。日本などの先進国は経済援助額が多いため、この項目が赤字になるのが一般的である。 資本移転等収支~資本形成のための無償資金援助と、特許権・著作権などの取得・処分からなる。 金融収支~国際間の資本取引(国際間の投資、お金の貸し借り、有価証券の売買など)の収支決算のこと。外国に現地法人を設立したり、外国の企業を買収したりするための直接投資と、配当や利子を得る目的で外国の株式・債権を購入する証券投資、金融派生商品、その他投資、外貨準備の5項目からなる。 為替相場(レート)~固定為替相場、変動為替相場(円安・ドル高→日本の輸出増大・輸入減少、円高・ドル安→日本の輸出減少・輸入増大) <国際経済の変遷> IMF=GATT体制~ブレトン=ウッズ協定(1944年)→IMF(国際通貨基金、ドルを基軸通貨とする固定相場制採用、国際通貨の安定を図る)、IBRD(世界銀行、経済復興や国土開発を目的に長期的融資、第二世界銀行は途上国向け融資を行う)、GATT(関税及び貿易に関する一般協定、世界貿易の推進と問題処理→1995年にWTO<世界貿易機関>へ発展解消) ドル危機~西欧・日本の台頭によるアメリカの競争力の低下、ヴェトナム戦争による軍事支出の増大、民間企業の多国籍企業化による資本流出→アメリカの国際収支の赤字が増大→金流出(1960年代) ニクソン=ショック~金・ドル交換停止(1971年)→スミソニアン体制(1973年、固定相場制の修正)→変動相場制への移行(1973年、IMF体制崩壊) 多極的通貨体制~ドル・マルク・円→欧州単一通貨ユーロ導入(1999年) <地域的経済統合> EU(欧州連合)~マーストリヒト条約発効(1993年)→単一通貨ユーロ導入(1999年)、ECB(欧州中央銀行)による一元的金融政策の実施→東方拡大と政治統合 NAFTA(北米自由貿易協定)~アメリカ・カナダ・メキシコ域内の自由貿易化を目的(1994年発効) メルコスール~NAFTAへの対抗措置としてアルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・ウルグアイが設立した共同市場(+ベネズエラ) ASEAN(東南アジア諸国連合)~1967年発足→ASEAN10体制。タイ(英仏緩衝地帯として独立国、仏教)・インドネシア(オランダ、世界最大のイスラーム教国)・フィリピン(スペイン→アメリカ、キリスト教)・ミャンマー(イギリス、仏教→社会主義)・マレーシア(イギリス、イスラーム教)・シンガポール(イギリス、華僑)・ブルネイ(イギリス、イスラーム教)・ヴェトナム(フランス、仏教→共産主義)・ラオス(フランス、仏教→共産主義)・カンボジア(フランス、仏教→共産主義) APEC(アジア太平洋経済協力会議)~ホーク首相(オーストラリア)提唱(1989年)、日本・オーストラリア・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・韓国・ASEAN6カ国・中国・台湾・香港・メキシコ・パプアニューギニア・ヴェトナム、チリ・ロシア・ペルー(21カ国・地域) FTA(Free Trade Agreement、自由貿易協定)~ある国や地域との間で、関税をなくし、モノやサービスの自由な貿易を一層進めることを目的とした協定。 EPA(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)~FTAを基礎としながら、これに加えて、投資の促進、知的財産や競争政策等の分野での制度の調和、様々な分野での協力などのより幅広い分野を対象として、経済上の連携を強化することを目的とした協定。 TPP(Trans-Pacific Partnership、環太平洋戦略的経済連携協定)~オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ヴェトナムの計12カ国による包括的な経済連携協定。2015年10月、大筋合意に至っており、各国の議会承認などを経て発効する。これにより、国内総生産(GDP)で世界の4割近くを占め、人口約8億人を抱える巨大な経済圏が誕生する。 <南北問題> OECD(経済協力開発機構)~先進国間の経済協力、発展途上国への開発援助、「先進国クラブ」と呼ばれる。 DAC(開発援助委員会)~OECDの下部機関で、加盟国の発展途上国援助を調整し、促進する機関。 UNCTAD(国連貿易開発会議)~南北問題を国際協力によって解決、先進工業国が開発途上国に国民総生産の1%を援助、特恵関税(開発途上国からの輸入品にかける関税を低くすること)などが決められている ODA(政府開発援助)~先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のことで、国際貢献の一つ。出資額から言えば、日本は世界有数のODA大国である。 NIEO(ニエオ、新国際経済秩序~発展途上国を含めた形での新しい国際経済秩序、新海洋法(領海12カイリ、排他的経済水域200カイリ) IDA(国際開発協会)~最貧国の開発プロジェクトへ融資するために設立された機関。第二世界銀行とも呼ばれる。IBRD(世界銀行)は商業ベースでの発展途上国への貸付であるため、返済条件が厳しい。そこで返済条件の緩やかなIDAが設立された。 NIEs(ニーズ、新興工業経済群)~発展途上国の中で、急速な工業化と高い経済成長率を達成している国や地域のこと。香港・シンガポール・台湾・韓国が代表だった。 BRICs(ブリックス)~NIEsに次ぐ経済成長群であるブラジル、ロシア、インド、中国を指す。 VISTA(ビスタ)~BRICsに続くヴェトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチンを指す。 資源ナショナリズム~OPEC(石油輸出国機構)、OAPEC(アラブ石油輸出国機構)、非中東産油国としてイギリス、ノルウェー、インドネシア、ベネズエラなどがある。 南南問題~発展途上国間の経済格差の問題。資源を持つ発展途上国(資源ナショナリズム)、工業化が比較的進んでいる発展途上国(NIES)、資源を持たず開発が遅れている発展途上国(LLDC=後発開発途上国)。 【高卒認定試験現代社会の問題構成】 (1)現代社会の諸問題 ①現代社会の特質 ②環境問題 ③人口問題 ≪傾向と対策≫ 時事的要素が強く、頻出分野です。ある程度、知識を豊富にしておくと、現代文・評論の読解から英文読解にまで応用がききます。 (2)青年・文化・思想 ①青年期の意義 ②風土と文化 ③宗教と思想 ≪傾向と対策≫ 出題頻度はそう高くありませんが、押さえるべきキーワードは比較的少なくて済みます。教養的な要素で、得点源にしやすい分野です。 (3)政治 ①民主主義 ②日本国憲法 ③基本的人権の保障 ④三権分立 ⑤地方自治 ⑥現代政治の諸問題 ⑦国際政治 ≪傾向と対策≫ 基本的人権、国会・内閣・裁判所の機能と権限、地方自治の特色、選挙制度、国連を中心とする国際機構、などを重点的に押さえておけばよいでしょう。 (4)経済 ①資本主義 ②市場機構 ③現代企業 ④国民所得 ⑤景気循環 ⑥金融政策 ⑦財政政策 ⑧日本経済 ⑨国際経済 ⑩社会保障制度 ≪傾向と対策≫ 価格決定の理論や国民所得の概念、金融政策の意義などは理論的な理解も必要です。あとは基本的に丸暗記で対処できます。 【高卒認定試験現代社会の裏技】 倫理が免除になっている人でも、政経で受けるよりは現代社会で受ける方が簡単です。なぜなら現代社会は倫理+政経という構成になっており、政経よりも倫理の方が覚える内容もはるかに少なく、得点源にしやすいからです。 また、時事的問題がよく出されるので、対策としては何か本を読むよりも、新聞をよく読む習慣をつけておくのがよいでしょう。 ページのトップへ戻る
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