高卒認定試験合格後は…(進路編)

 進路は人によって様々ですが、どのような道や職業を選ぶにせよ、知っておかなければならないこと、知っておくと得することがあります。こういった使える有益情報をご紹介いたします。

ジョブ・テク

 あらゆる仕事、バイト、プロジェクトから勉強、人間関係に至るまで、全てのジョブに共通する基本原則

(1)最高と最低の原則  例えば、あなたがジャーナリストになったとして、ある一面の編集を任せられたとします。「読書の秋」特集がテーマだとしたら、どのように編集しますか?
 まず浮かんでくるのは、「大書店での売れ筋ベストテン」「図書館での貸し出しトップリスト」「著名な文化人・知識人による推薦図書」「今流行の本の作者へのインタヴュー」「東大生100人に聞きました。今ハマっている本は?アンケート」「丸の内のOL100人アンケート」などなど、アイデアは後から後から出てくることでしょう。
 では、何から取り掛かりますか?片っ端から手をつけていきますか?それともやりやすいものからやっていきますか?答えはどちらもブッブーです。編集者なら最低限必要なものは何かをまず考えます。この場合の最低ラインはとにかく紙面を埋めることです。とりあえずこれとこれとこの記事があればそれほどスグレモノとは言わないまでも、一応無難な紙面構成となるということをまず押さえます。それから時間の許す限り、取材を続けていって、内容を濃くし、限りなく最高の紙面づくりを目指していくわけです。
 つまり、優先順位が見抜けること。これが、まず第一に肝心なことなのです。

(2)公私充実の原則
 ルーチン・ワークやあまり気の乗らない仕事をしなければならない時はどうしたらいいのでしょうか?
 この場合、オフシャルな仕事に如何に自分のプラスを結びつけられるかがカギとなります。例えば、人前で話すことが苦手な人がプレゼンテーションをせざるを得ない場合を考えてみましょう。イヤイヤやるなら、その仕事が一段落すればヤレヤレで終わってしまいますが、「これを機会に口下手を克服して、人前で話せるようになろう!」と自分の成長につながるように研究心を持つのです。あるいは営業が苦手な人であれば、ただ営業のノルマに追われるだけなら、すぐに疲れ果ててしまいますが、「これを機会に消費者の心理、購買者の心理を研究してみよう!」と思えれば、自分の成長につながっていくのです。
 「滅私奉公」に徹する人は個人の成長がなくなって、マンネリ化してしまいますし、何事も自分本位に進める人は組織原理を破壊します。要は「全体」と「個人」、「公」と「私」を如何に結びつけるかが重要なテーマであると言えるでしょう。
 つまり、研究心を持ち、今やっている仕事に自分の成長につながる要素を必ずくっつけて取り組むということです。

(3)逆境克服の三原則
 実績が全然出ない。トラブルばかり起こる。怒られてばかり。他の人は成功しているのに、自分だけ遅れを取っている・・・。こうしたことはあらゆる仕事の現場でしばしば起こりますが、この時、どうしたらいいのでしょうか?
 実はこうした「逆境」の時にこそ、その人の真価が現われると言っても過言ではありません。誰でも実績が出て、調子がよく、皆からホメられるような状況なら、落ち込むことすらあり得ないでしょう。どんなにサエない人でもこの状況ならやっていけるのです。逆に実績もなく、評価もなく、トラブルだらけなら、どんなに才能ある強い人でもメゲてしまうのです。問題はここからです。
 この時、鈍くさく、懸命に対処し、泥沼を這いずり回って、「それでもそれでも」とあきらめずに、1年経ち、2年経ち、3年経って、ついに逆境を脱却するような人がいれば、これほど恐ろしい人はいないのです。「この人を押しつぶすようなもっとすごい逆境はこれから来ることがあるのか?」「いやいや、仮にそうでも、この人はまた何とかしてしまうかもしれない」と思えてしまうのです。
 昔から成功者と呼ばれる人は必ず「左遷」を味わっており、逆境から脱却すること数度、数十度というのが普通なのです。この逆境を脱出するために必要なのは、頭の良さでも才能でも力量でもなく、ただ、「向上心」「忍耐力」「吸収力」の3つを持っていることなのです。そして、「三年の原則」を知ると、どんな逆境もこの三原則を貫いていさえすれば、三年を待たずに必ず脱却できるということを体で覚えていくのです。

(4)失敗と責任の原則
 どんな仕事でも失敗することは避けられません。そして、失敗ほど心にダメージを負わせ、気力を落とさせるものはないのですが、問題は失敗することにあるのではなく、「失敗した時にどのように対処するか」という点にあります。
 「失敗への対処の仕方」、これを「責任の取り方」と言いますが、単に謝ればいいのでもなく、といってその度にその仕事を辞めていれば、そのうちできる仕事は限られてしまいます。逆に「失敗した時にこれ以上、これ以外にないという迅速・適切な手を打つ」ことを心掛けている人の場合、失敗がその人に打撃を与えることができなくなってしまうのです。
 また、「最も多く失敗した人が最も成功する」と言われるように、失敗が成功に向けてのヒントを最も豊かに含んでいるのも事実です。失敗を放置せず、その克服に向けて知恵をしぼって、あれこれ試みる中に「成功への道」「失敗が生きる道」が生まれて来るわけです。
 こうした失敗と責任の原則をふまえていくと、最もダメージを受けやすいことに対しても、「メンタル・マネジメント」ができるようになっていくのです。

  (5)内外実績の原則
 仕事において「実績」は絶対に必要なものですが、これが大きくプレッシャーになるのも事実です。「ノルマに追われない仕事をしたい」「勉強は楽しくやりたい」などと誰しも思うものですが、この「実績追求」という悩ましいテーマをどう捉えればいいのでしょうか?
 実は通常「実績」と言っているものは「目にみえる実績」(外的実績)であり、「売上」「利益」「結果」といったものが該当しますが、これのみを追及していくと、だんだん心にゆとりがなくなってきます。ところが、「実績」には「目に見えない実績」(内的実績)もあり、「失敗から学んだもの」や「信頼関係」「何らかの情報」といったものも全てこれに入ります。表面上は目に見える結果が出ていない時でも、何らかの実績は絶対に出さなければならないのです。例えば、あらゆる手を尽くしてダメだったとしても、「このやり方ではダメだということが分かった」ことは実績として残せるわけです。
 つまり、「いったん手をつけた以上は必ず実績を出さなければならない」「勝負する以上は勝たなければならない」ということなのですが、その「実績」「勝利」といったものは目に見えるものとは限らないということなのです。

  (6)報連相の原則
 どんな仕事でも上の人との関係、横の人との関係、下の人との関係が伴いますが、上の人との関係で重要なのが「報告」「連絡」「相談」の3つです。
 実際、自分一人で対処できる能力も経験も限られたものであり、特に想定の範囲外のトラブルが起きた時こそ、上との関係が決定的に重要となります。大体、成功を収める人で、中には上に楯突く人もいますが、上と良好な関係を保っている人ほど、長期的永続的な成果を生み出すことができているものなのです。
 交通事故で事故る時は「まあ、いいか」と思った時であり、慎重に慎重になっている時にはほとんど事故が起きません。自分なりの判断を捨てて、必ず上を通すこと。責任原則から言っても、これは実に大切なことなのです。

(7)コミュニケーションの原則
 職場に限らず、どんな場でも必ず人間関係があり、そこでは不思議なくらい「自分の苦手な人」がいるものです。「この人には困ったものだな」「この人さえいなければけっこういい所なのに」とだんだんエスカレートし、相手が辞めたり自分が辞めたりして、ホッとしていると、また、同じようなタイプの人が入って来たり、新しい職場にもっと大変な人がいたりして、「何でここまで?」と首をかしげたくなるようなことはしばしば起こります。
 これは「天の配剤」と言いますか、「人間関係の妙」とでも言うべきものなのでしょう。ある意味で「人間関係は自分の鏡。今の自分の課題を反映する」と言っていいようです。では、こうした苦手な人と場を同じくしている時、一体どうすればいいのでしょうか?
 結局は、「コミュニケーション」に尽きると言えます。遠ざかっている限りは何も始まりませんが、コミュニケーションを重ねる中で反発も発展も起こるのです。変化を生じさせるにはコミュニケーションしかないと言ってもいいでしょう。
 ここで重要なのは、相手の上に立とうとするのでも、対等に張り合おうとするのでもなく、「教えを請う」立場に徹することです。どんな人からでも学ぶべき点はあり、誰でも自分に対して謙虚に素直に尋ねてくる人には、一生懸命応えてあげようとするのが本心や良心の働きだからです。

(8)三段階発展の原則
 どんな仕事でもチームを組んで対処するのが普通ですので、ここでチーム内の関係と対外的な関係とのバランスが問題になります。いわゆる「外面がよくて、内面が悪い」タイプは一時的には実績が出ますが、長期的にはもたなくなります。典型的な偽善者の道と言っていいでしょう。
 実は外にプラスを与える前に、中にプラスを与える存在にならなければならないのです。つまり、プロセスとしては三段階からなり、まず「個人の充実(アイデア・企画・準備など)」→「内部への波及(人間関係の充実・フォロー・ムードメイキングなど)」→「外部への発展(実績や結果など)」となります。関係性で言えば、「対自」「対内」「対外」の三段階ということですね。
 こうした段階がきちんとふまえられていないと、業務上の支障が出るばかりか、人間関係がギクシャクしたり、トラブルがトラブルを生んだり、とかく運やツキを失いやすくなってしまうのです。不思議なものですね。

(9)プレゼンの原則
 あらゆる仕事から人間関係に至るまで、プレゼンテーションは不可欠の要素となっています。基本は「如何に相手に一目置かれるか」ということになりますが、ここで重要なのは単なる売込みでもアピールでもなく、「相手のニーズの延長上にそのニーズを満たす情報を提供すること」です。そうすると、人間の心はフシギなもので、「この方向に行けば、自分の求めているものが得られる」「この人に聞けば大丈夫だ」と思えれば、放っておいてもそちらの方向へ心が動いてしまうものなのです。
 ここには強引なクロージングもしつこい説得も一切必要ありません。「プッシュならざるプッシュ」「トークならざるトーク」となってくるのです。したがって、まず第一に相手のニーズを的確に把握すること、次に手持ちの情報を相手に合わせて表現できるようにすることが肝心となりますので、人間研究と自己分析、及び表現技術の向上が必要になってきます。あらゆる仕事において、心理学の知識と技術が必要とされるのは、こういった所にもその理由があるのです。

ストレス耐性度を高めるためのプチ・テク

(1)基本的な考え方
 「あらゆる病気の原因にはストレスがある」と言われるほど、「ストレス悪玉論」が広がっていますが、「ストレス・ゼロ」だと成長がないことも分かっています。
 要は「過度なストレスを避ける(予防)」と「ストレスとの付き合い方を知る(ストレス・フリー)」という2つのことが大事だということですね。
 例えば、東洋の叡智である仏教では、「苦」の克服に対して、「逃避」(上座部~山林幽谷に籠って、苦を引き起こす原因との接触を避ける)、「忍耐」(浄土系~未来に希望を託して今を耐える)、「発想転換」(法華系~見方を変えれば苦も楽になる)、「原因打破」(密教系~原因そのものを消滅させる)といった方法を提示してきましたが、このうちのどれがいいということはなくて、実はどれも必要な方法であることが分かります。

(2)環境面でのプチ・テク
 「心」と「体」と「物」はどれが一番コントロールしやすいでしょうか?この順番に難しいはずですね。ストレスは心で感じるものですが、体にも現われ(体調不良、病気)、周りの環境(物・事)にも知らず知らずのうちに影響が出てくるものです。そこで、心にダイレクトにアプローチするのは大変ですが、一番表面的な環境面から少しずつコントロールしていきましょう。
 まずは自分の部屋を見回してみましょう。ストレスに参っている時は片付ける気力もなくて、散らかったままになっていませんか?それから、実は「時間」も「モノ(目に見えない物)」なのです。ストレスで弱っていると、時間にルーズになりがちで、約束もなかなか守れなかったりするのです。まずは自分に関わりのある「時間」と「空間」をきちっと整理してみましょう。

  (3)食事・栄養面でのプチ・テク
 人間の体を作る材料は基本的に外から取り入れます。「太陽の光」「空気」「水」「食べ物」の4つが基本ですね。このうち前の2つはスポーツ・運動面に関係し、後の2つが食事・栄養面に関係しています。  まず、「水」は体液循環の土台であり、老廃物を流し去ってくれるものですから、きれいなお水をいっぱい飲んで、体を内側から洗いましょう。  栄養面では「偏食」をなくすことが肝心です。ストレスは「心の偏り」とも言えますが、不思議なことにストレスを常に感じている人には「偏食」の傾向が往々にして見られるものです。  何か特別な栄養ドリンクやサプリメントに頼るよりも、原始人以来の自然治癒力・生命力を高めるような食事が一番です。それから、「米粒1つ残さないできれいに食べる」ことも大事なことですね。

(4)スポーツ・運動面でのプチ・テク
 タイプによっては「体力が落ちると気力も落ちる」という現象が起きますので、スポーツや運動も大切な要素となります。といってもジムに通い始めるとか、腕立て・腹筋を毎日欠かさずやるという必要はありません。スポーツ・運動の基本は「ストレッチ」と「ジョギングないしウォーキング(散歩)」にあるのです。
 ストレッチの目的の1つは股関節の柔らかさにあり、有名な真向法でも半分の動作はこのためにあります。相撲でも「股割り」が全ての基本ですし、股関節が柔らかくなると、内臓筋も強くなって、病気やケガになりにくくなるのです。キアヌ・リーブスが映画「マトリックス」の撮影に臨んだ時は、本番前にいつも2時間のストレッチが課せられたと言いますし、イチローもゲームのある日には必ず5時間前に球場に入って、入念な準備をしているそうです。
 また、ウォーキングは脳が活性化することが知られています。

  (5)人間関係・心理面でのプチ・テク
 ストレス・フリーの極意は、人間関係の充実とメンタル・トレーニングにあると言ってもいいですね。  人間関係を円滑にするコツは「人間に関心を持つこと」です。誰でも自分に健全な関心を持ってくれている人には好感を持つものです。「いろいろと教えてもらう」つもりで接していけば、たいていの人とうまくいきます。
 メンタル面では「逆境の哲学」を持つことが大事ですね。「深呼吸」して、冷静に「現実」を見つめ、「自分にとってプラスの意味」を見い出せるよう努力してみましょう。時間はかかりますが、訓練を重ねていけば、だんだんできるようになります。簡単ではありませんが、どんなに厳しい現実にも必ず自分を成長させる何かがあるということは、多くの人が経験し、実感してきた事実です。「順境」であれば誰でも頑張って当然ですが、悪いこと続きの「逆境」こそ、人の真価があらわになる時です。逃げるのはいつでもできるので、ちょっと立ち止まってみましょう。

アイデアの源泉としてのコーディネーション

(1)コーディネーションの思想
 「コーディネーション」とは「カラー・コーディネート」「インテリア・コーディネート」というように、元々「整合」「調整」「調和」という意味ですが、その真髄はまさに「多様性の調和」にあります。中には「気が付けば全部好きな色で上から下まで揃えている」「好きなキャラクター・グッズで固める」という極端なケースが見られますが、これは「コーディネーション」というより「単一化」「画一化」と呼んだ方がいいでしょう。
  実はこの「コーディネーション」の思想は単にファッションや部屋作りといった次元にとどまらず、あらゆる仕事から勉強、人間関係に至るまで、幅広く応用することができるものなのです。逆に言えば、「コーディネーション」の発想をうまく使うことなしに、豊かなアイデアを生み出して、創造性あふれる人間になることは難しいとさえ言えるのです。

(2)同系コーディネーション
 「同系コーディネーション」は一番基本的な「コーディネーション」です。服の組合せで「黄色系統で統一する」とか、部屋の家具や壁紙を「木目調で統一する」など、一般的によく使われる手法と言えます。
 実はこれは仕事や勉強であれば、「関連分野にまで手を広げて、その道を極めていく」手法となります。例えば、信託銀行の職員は宅建取得が必要とされますが、さらに土地家屋調査士・不動産鑑定士と進んでいくと、不動産関係のエキスパートとなっていきます。また、語学の勉強でもフランス語をやったらイタリア語も、あるいはスペイン語をやったらポルトガル語も、というのも「同系コーディネーション」ですね。人間関係では似たもの同士のグループ作りといった感じですが、すぐれたリーダーはたいていここから「ブレーン集団」を形成します。

(3)グルーピング・コーディネーション
 「グルーピング・コーディネーション」は「あるコンセプトに基づいてグループ化を行ったコーディネーション」です。「コンセプト・コーディネーション」と言ってもいいでしょう。例えば、「青・白・赤」でキメれば、「トリコロール・カラー」(フランス国旗の色)と呼ばれます。個々の要素が対等である場合もあれば、1つの中心と他の付属的要素からなる場合とがあります。
 ビジネスでもカルテル(企業連合)やトラスト(企業合同)といった「同系コーディネーション」に対して、これは「コンツェルン」(企業連携)、「コングロマリット」(複合企業)といったものになります。また、「士(さむらい)業」を集めて、弁護士・公認会計士・司法書士・弁理士・行政書士の総合事務所を開く所も出てきました。これは最強の総合力を生むコーディネーションと言えるでしょう。そして、成功のカギは「コンセプト」そのものにあるのです。人間関係でもこれは「機能集団」を形成することになります。

(4)連続性コーディネーション
 「連続性コーディネーション」は「グルーピング・コーディネーション」の一種ですが、「虹の7色」のように「変化」「動き」、さらには「蓄積」といった効果が生み出されます。
 「同系コーディネーション」「グルーピング・コーディネーション」が「静的」「同時性」であるとすれば、「連続性コーディネーション」は「動的」「無限性」を感じさせる所に強みがあると言えます。ささいなことでも「10年偉大なり、20年恐るべし。30年にして歴史になる」と言われますが、これは「連続性コーディネーション」のすごさをよく言い表していると言えるでしょう。あるいは、日記を付け、時々読み返して過去の自分の経験や考えを今の自分に活かす作業も、アイデンティティの幅を広げることになりますが、これも「連続性コーディネーション」の応用となります。

(5)対極コーディネーション
 「対極コーディネーション」は「コーディネーション」の究極です。最も難しい調和ですが、「極と極は通じる」と言われる如く、意外な調和を生み出します。人間関係でも、最も合わない人と通じるようになれば、最早通じない人はなくなるでしょう。あるいは「お金持ちになりたければ、トイレ掃除から」とよく言われますが、これは「皆が一番好むもの」と「皆が一番嫌うもの」がつながっているという好例です。
 他にも例えば、語学で西洋諸語と東洋諸語を同時に学んで、理解の奥行きを一気に深めるのも、仕事で営業と開発といった全く違う分野を同時にこなしていくのも、「対極コーディネーション」です。一見、最も困難ですが、成功すれば、最も実り豊かなものを生み出すのが「対極コーディネーション」であり、ある意味では「コーディネーションの奥義」とも言えるでしょう。

(6)コーディネーションの応用
 例えば、ビジネスでも勝ち組になるために「コラボレーション」したり、音楽シーンでも味を出すために「ユニット」と組んだりします。あるいは技術開発やビジネス・モデルでも全く新しい組み合わせを生み出すことを「イノベーション」と言いますが、これらはいずれも「コーディネーション」の応用例です。パートナーシップでも、趣味が一致する相手なら「同系コーディネーション」、共通の価値観や夢を持つ相手なら「コンセプト・コーディネーション」、自分に無いものを相手が持っていて、互いに補い合う関係なら「対極コーディネーション」となります。
 実は豊富なアイデアを生み出す人達はこうした「コーディネーション」を駆使しており、場合によっては「同系コーディネーション」「グルーピング・コーディネーション」「連続性コーディネーション」「対極コーディネーション」の全てを同時に駆使することすらあるのです。